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第1章
第19話 合流
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「なるほどなぁ、そんなことがあったのか」
ニートと武器屋は魔王の娘と魔法学者の先程までの出来事について話を聞いていた。
「うんうん、信じてくれてありがとね。武器屋君と……ニート君、だっけ?」
二人の話を聞き、武器屋は「不思議なこともあるもんだな」と言いつつも納得した様子だ。
「あっ、はい!えっと……魔法学者さん?」
静かに話を聞いていたニートは、突然名前を呼ばれて驚いた様子だ。
初対面の、如何にも頭の良さそうな歳上の男と会話をするのは、ニートにとって若干緊張することであった。
「ふふっ、僕に敬語は使わなくて良いよ。気軽に “学者” って呼んでね?」
「あっ、は……はい!」
魔法学者の物腰の柔らかさに、ニートは「この人とは安心して話せそうだ」と心の中で思うのだった。
「それにしても、学者。お前、聞いていた話と随分印象が違うんだな?」
武器屋がニヤリと笑いながら呟いた。
「えっ!?聞いていた話って何!?魔法使いちゃん、僕のことなんて言ったの~?」
魔法学者は慌てた様子で魔王の娘を見た。
「う~ん、なんだっけな?あっ、そうだ! “優しいお兄ちゃん” って言ったよ!」
「 はあー?お嬢ちゃん、“変わり者” だって言ってたじゃねーか」
「ええっ!?魔法使いちゃん、僕のことそんな風に思ってたの!?うぅ……悲しいよ……」
「全然思ってないよ!?……ちょっと!武器屋さんっ!!余計なこと言わないでよ!!」
「ああー?お嬢ちゃんが言い出したんだろうが」
武器屋は魔王の娘のこめかみをぐりぐりしながら笑っている。
(す、すごい……!三人とも、初対面の距離の縮め方が上手いぞ……)
言い合いをする三人を見つめ、ニートは感心した顔で一人頷いていた。
「……それで、幻影を見せる術者っていうのは誰なんだい?」
魔法学者の質問に、魔王の娘は「あ、そうそう!」と思い出したように答えた。
「 “幻術使い” ちゃんっていう女の子がいるの!」
ニートと武器屋は魔王の娘と魔法学者の先程までの出来事について話を聞いていた。
「うんうん、信じてくれてありがとね。武器屋君と……ニート君、だっけ?」
二人の話を聞き、武器屋は「不思議なこともあるもんだな」と言いつつも納得した様子だ。
「あっ、はい!えっと……魔法学者さん?」
静かに話を聞いていたニートは、突然名前を呼ばれて驚いた様子だ。
初対面の、如何にも頭の良さそうな歳上の男と会話をするのは、ニートにとって若干緊張することであった。
「ふふっ、僕に敬語は使わなくて良いよ。気軽に “学者” って呼んでね?」
「あっ、は……はい!」
魔法学者の物腰の柔らかさに、ニートは「この人とは安心して話せそうだ」と心の中で思うのだった。
「それにしても、学者。お前、聞いていた話と随分印象が違うんだな?」
武器屋がニヤリと笑いながら呟いた。
「えっ!?聞いていた話って何!?魔法使いちゃん、僕のことなんて言ったの~?」
魔法学者は慌てた様子で魔王の娘を見た。
「う~ん、なんだっけな?あっ、そうだ! “優しいお兄ちゃん” って言ったよ!」
「 はあー?お嬢ちゃん、“変わり者” だって言ってたじゃねーか」
「ええっ!?魔法使いちゃん、僕のことそんな風に思ってたの!?うぅ……悲しいよ……」
「全然思ってないよ!?……ちょっと!武器屋さんっ!!余計なこと言わないでよ!!」
「ああー?お嬢ちゃんが言い出したんだろうが」
武器屋は魔王の娘のこめかみをぐりぐりしながら笑っている。
(す、すごい……!三人とも、初対面の距離の縮め方が上手いぞ……)
言い合いをする三人を見つめ、ニートは感心した顔で一人頷いていた。
「……それで、幻影を見せる術者っていうのは誰なんだい?」
魔法学者の質問に、魔王の娘は「あ、そうそう!」と思い出したように答えた。
「 “幻術使い” ちゃんっていう女の子がいるの!」
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