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第1章
第1話 パートナー
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ニートが住む村の名は “魔法村” 。
魔法を職業とする村人が多いためこう呼ばれている。
村には魔法使いをはじめ、召喚師や占い師、魔法使い専門の武器屋、王立魔法教会から派遣された魔法学者までいる。
ニートはもちろん働いていない。
無職である。
仕事仲間もいない。
しかし、そんなニートにも数少ない友人がいる。
それは、村の案内人である。
ニートの家は村の入口付近にある。
村の入口と言っても大層な門があるわけではない。
ただ何となく椅子に座り、働いているふりをする案内人が一人配置されているだけである。
彼こそがニートの数少ない友人の一人だ。
(なんか今日、人が見当たらないんだが……?)
家から出たニートは村の様子がいつもと違うことに気がついた。
村の入口付近には商店街が広がっており、早朝から夕方まで、村人の活気に満ち溢れているのが通常だ。
しかし、商店街の店はどこも閉まっていた。
肉屋、八百屋、魚屋、、
、、花屋、薬屋、コンビニ、、
何処も彼処も店は閉まっている。
さすがに不審に感じたニートは、左手に付けている最後に外したのはいつだったか全く思い出せない腕時計を見た。
「……午前中……だよな……」
朝から晩まで布団の中でだらだら生活しているニートは、ついに体内時計をおかしくしてしまったのではないかと冷や汗をかいた。
しかし、朝起きて夜寝るという最低限の規則正しい生活はかろうじてできていたため、彼の体内時計に狂いはなかったようだ。
「どうしたらいいんだよ……皆どこへ行ったんだ……」
ニートはひとまず案内人のもとへ向かうことにした。
村の入口には、案内人もいなかった。
「……さすがにこれはおかしい。ボクは物心ついたときからこの村に住んでいたが、その頃から既に案内人もここで案内人をしていた。24時間365日ずっと働き続けていた彼が突然いなくなるなんて、何かあったとしか思えない!……彼働いてないけど!!!」
「あのー?すいませんっ!お兄さん、ちょっといいですか?」
突然、背後から声が聞こえた。
完全に誰もいないと思い込み気を抜いていたニートは驚きと同時に振り返り、声の主を見て再び驚いた。
声の主は、小柄な少女であった。
白い肌、ふわふわな栗色のセミロングヘア、赤茶色の大きな丸い瞳にくるくるしたまつ毛、小ぶりな鼻と口、微かに桃色な頬は柔らかそうで、ニートはその頬をつい指でつんつんしたくなる衝動を抑えた。
かなりの美少女であった。
誰もいなくなった村に突如現れた謎の美少女。
彼女に目を奪われていたニートは暫くの間、動揺のあまり開いた口が塞がらず何も発することができないでいた。
そんなニートの様子を特に気にする素振りを見せず、美少女は言った。
「お兄さん、私の相方になってくれませんかっ!?」
魔法を職業とする村人が多いためこう呼ばれている。
村には魔法使いをはじめ、召喚師や占い師、魔法使い専門の武器屋、王立魔法教会から派遣された魔法学者までいる。
ニートはもちろん働いていない。
無職である。
仕事仲間もいない。
しかし、そんなニートにも数少ない友人がいる。
それは、村の案内人である。
ニートの家は村の入口付近にある。
村の入口と言っても大層な門があるわけではない。
ただ何となく椅子に座り、働いているふりをする案内人が一人配置されているだけである。
彼こそがニートの数少ない友人の一人だ。
(なんか今日、人が見当たらないんだが……?)
家から出たニートは村の様子がいつもと違うことに気がついた。
村の入口付近には商店街が広がっており、早朝から夕方まで、村人の活気に満ち溢れているのが通常だ。
しかし、商店街の店はどこも閉まっていた。
肉屋、八百屋、魚屋、、
、、花屋、薬屋、コンビニ、、
何処も彼処も店は閉まっている。
さすがに不審に感じたニートは、左手に付けている最後に外したのはいつだったか全く思い出せない腕時計を見た。
「……午前中……だよな……」
朝から晩まで布団の中でだらだら生活しているニートは、ついに体内時計をおかしくしてしまったのではないかと冷や汗をかいた。
しかし、朝起きて夜寝るという最低限の規則正しい生活はかろうじてできていたため、彼の体内時計に狂いはなかったようだ。
「どうしたらいいんだよ……皆どこへ行ったんだ……」
ニートはひとまず案内人のもとへ向かうことにした。
村の入口には、案内人もいなかった。
「……さすがにこれはおかしい。ボクは物心ついたときからこの村に住んでいたが、その頃から既に案内人もここで案内人をしていた。24時間365日ずっと働き続けていた彼が突然いなくなるなんて、何かあったとしか思えない!……彼働いてないけど!!!」
「あのー?すいませんっ!お兄さん、ちょっといいですか?」
突然、背後から声が聞こえた。
完全に誰もいないと思い込み気を抜いていたニートは驚きと同時に振り返り、声の主を見て再び驚いた。
声の主は、小柄な少女であった。
白い肌、ふわふわな栗色のセミロングヘア、赤茶色の大きな丸い瞳にくるくるしたまつ毛、小ぶりな鼻と口、微かに桃色な頬は柔らかそうで、ニートはその頬をつい指でつんつんしたくなる衝動を抑えた。
かなりの美少女であった。
誰もいなくなった村に突如現れた謎の美少女。
彼女に目を奪われていたニートは暫くの間、動揺のあまり開いた口が塞がらず何も発することができないでいた。
そんなニートの様子を特に気にする素振りを見せず、美少女は言った。
「お兄さん、私の相方になってくれませんかっ!?」
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