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恋をしませんか?
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思いがけない時間を過ごす。
葛城や伯父家族との交流がほとんどの俺にとって、こういう関わりは無かった。
偏見の目がずっと付き纏っていた。
誰かと関わるくらいなら、何かを身に付けたかった。そうじゃないと心が持たなかったのかもしれない。
「…椎名さん?聞いてます?」
「えっ?あっ、すみません。ぼぅーとしてました。」
「考え事ですか?」
「いえ、葛城や教授達以外との交流を持ったことが無いなと思っただけです。」
「そうだったんですね。じゃ、恋は?」
「…こい?魚の鯉ですか?」
「「あはは」」
俺の言葉に笑い出す二人。
「やはり、純粋な方ですね。真っ直ぐですね。」
「??」
「笑ってすみません。魚ではなく、恋愛の方です。」
「あぁ、そっちでしたか。あまりにも無縁の話なので。…それに私は….。恋に向かないと思ってますから。」
出来損ないには無謀な夢だ。
それに、自分には好きという感情が分からないし、αのフェロモンも感じれないし、相手を傷つけるようなものだし。
「…恋に向き不向きは無いと思います。無意識だろうと意図的だろうと、誰を好きになるのは素敵なことであり、決めつけはよくありません。苦手かも知れませんが、いつか出来たらいいと想うくらいでいいのでは?」
「クロさん…。」
「この仕事をしていて、いろんな方を見てきましたから。押し付け、決めつけをするのはもったいないです。」
「ありがとうございます。」
優しげな笑顔に癒されていると、
「椎名さん、俺と恋、してみませんか?」
「はい!?」
「信じて貰えないかも知れませんが、貴方に一目惚れしたんです。人生で初めてです。」
「…一目惚れ…。」
「はい!こんな気持ちも初めてなんです。」
「…初めては盛りすぎでは?」
「過去につきあっていたことはありますが、自分が好きになることは無かったんです。」
「最低ですね。」
「それは否定しません。人としては、良くなかったとは思います。でも、椎名さんは違います。そこだけはハッキリしてます。
」
真剣な真面目な目に惹き込まれそうになる……。でも、俺は……。
葛城や伯父家族との交流がほとんどの俺にとって、こういう関わりは無かった。
偏見の目がずっと付き纏っていた。
誰かと関わるくらいなら、何かを身に付けたかった。そうじゃないと心が持たなかったのかもしれない。
「…椎名さん?聞いてます?」
「えっ?あっ、すみません。ぼぅーとしてました。」
「考え事ですか?」
「いえ、葛城や教授達以外との交流を持ったことが無いなと思っただけです。」
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「ありがとうございます。」
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「はい!?」
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「…初めては盛りすぎでは?」
「過去につきあっていたことはありますが、自分が好きになることは無かったんです。」
「最低ですね。」
「それは否定しません。人としては、良くなかったとは思います。でも、椎名さんは違います。そこだけはハッキリしてます。
」
真剣な真面目な目に惹き込まれそうになる……。でも、俺は……。
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