雨のち晴れ

朔羅那弥

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願い-琉生side

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僕に"愛しい"という感情を与えてくれた愛しい存在、透。

変わり果てた弟、露依ろいの息子だ。  
弟は、最愛の人を見つけたことと失ったことで人生が変わってしまった。
僕が駆けつけた時にはもう遅かった…
ただ、透だけでも救い出せたことは不幸中の幸いだった。

弟夫夫は、透を放置気味だった。互いに互いしか見えなていないようにも思えた。
だから、透を引き取りを願いでたが、そこに関しては、拒否が強く発情期だけ預かる程度しか出来なかった。その発情期さえ、預けにも来なかったことの方が多い。
弟の相手が、俺に対しての苦手意識が強かったからかもしれない。

発情期が酷かった二人をずっと見ていた透は、二人をどうにか助けたかったようで、自分なりに考えて研究しようとしていた。
ひたむきに両親からの愛を欲しがっているようにしか見えなくて、自分のところへ誘うしか出来なかった。

ずっとずっと愛を探している透。
父親の露依に会いに行けないのは、
自分が母に似てることを気にしている。
入院時に、透は父親に殺されそうになっていたらしい。『一緒に死んでくれ。燈色ひいろ』母親の名前を呼びながら、叫んでいたらしい。

そこを境に研究に没頭し始めた。
我を忘れるようになり、自分を蔑ろにするようになった。
自分の存在意味を探しているかのように…。

僕や蓮がどれだけ愛を伝えても、なかなか響かない。

自分の体質に関しても、無関心になりつつある。

Ωなのに、愛される存在にもなれないと…。

透、君を愛してくれる存在はいるんだよ。


君を初めて抱いた時から、
君の幸せを願っている。


さて、彼はどう出るのかな?

透の凍てついた心を溶かす人になれる
器かな?

まぁ、そう簡単には認めないがね。
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