10 / 21
地元の能力者達
しおりを挟む
サイを殺害してから、数日後。つまり期末試験が終わってからの高校。
愛九は世界侵略にさらなる飛躍を見せていた。ようやくIRの軍事強化が完成して、日本から世界に羽ばたく活路を見いだせたのだ。
もちろん世界を相手取るのは少しだけ時間を要するが、それでも今の内に超日本列島を完全支配することは可能である。
というのも今現在、超日本に対する否定的な組織、抵抗軍が登場したのだ。彼らは北上していき、北海道本土に立て籠もり、籠城している。
なので愛九はまず抵抗軍を瓦解させる事を最優先事項としていた。もし世界侵略をしようとした時に、抵抗軍の予期せぬ奇襲を受けたら、元も子もないのである。
だが。
北海道本土侵略計画を進めている時、予想外のイレギュラーが立て続けに起きた。まずは日本には未だに能力者の存在があったことだ。これは衝撃的なニュースだった。
愛九が世界侵略をしようと羽を広げていくと、彼らは隠していた能力を使用し始めたのだ。
なので幾つかの地元の都道府県に於いて能力者の存在を確認する必要性が出てきた。
これまで愛九は特殊な能力について、自分だけが賜われた神から贈り物だと考えていた。だがしかし、実はそこそこ同じような能力を持っている人間がいるのだ。
彼らは能力を持ちながらもそれを使うことはなく、平凡に人生を生きていたのだろう。理由は様々あるだろうが、少なくとも愛九には信じられなかった。
授業中。
愛九は物語を紡いでいた。彼にとって芸術の創作活動こそが、最も有意義な時間だった。あらゆる人間のあらゆる感情を使い、あらゆる物語を紡いでいくのだ。
そこにはあらゆる制約を越えた創造的な自由があった。
愛九は既に、彼ら、つまり邪魔者をどうやって排除するか、そんなストーリーを頭の中で紡いでいた。これまでの経験や今の立場を駆使して、最も効率的な方法で駆逐するんだ。
愛九は日本を意のままに動かしていく。既に超日本は愛九の手の中にあるのだ。
地方報道組織と連携しながら、偽のニュースを一斉に伝播していくのだ。サイが愛九に対して行ったように、愛九が今度は彼の秘策を再利用するのだ。
「緊急ニュースが只今入りました」
「緊急ニュースが只今入りました」
「緊急ニュースが只今入りました」
すると効果覿面だった。彼らはまんまと罠に引っかかって、直ぐに自宅の住所をさらけ出してしまった。
だから愛九は今から最も効率的な方法で、複数の能力者達を一斉に粛清するのだ。軍事強化されたIR達を引き連れて、北海道本土侵略の為に超日本列島を横断していく。そしてそのついでに、これまでに割れた地元に散らばる能力者を殲滅する。
「それでは、北海道全土侵略の決行は明日です」
首相官邸の席につく木戸首相の身体を借りて、愛九は同時に軍事部に指示を出していた。これから強化されたIR機体を使用して、北海道本土に進行していくのだ。
軍事強化されたIR機体をメインテナンスしながら、前日は終わる。
決行は明日だ。
愛九は世界侵略にさらなる飛躍を見せていた。ようやくIRの軍事強化が完成して、日本から世界に羽ばたく活路を見いだせたのだ。
もちろん世界を相手取るのは少しだけ時間を要するが、それでも今の内に超日本列島を完全支配することは可能である。
というのも今現在、超日本に対する否定的な組織、抵抗軍が登場したのだ。彼らは北上していき、北海道本土に立て籠もり、籠城している。
なので愛九はまず抵抗軍を瓦解させる事を最優先事項としていた。もし世界侵略をしようとした時に、抵抗軍の予期せぬ奇襲を受けたら、元も子もないのである。
だが。
北海道本土侵略計画を進めている時、予想外のイレギュラーが立て続けに起きた。まずは日本には未だに能力者の存在があったことだ。これは衝撃的なニュースだった。
愛九が世界侵略をしようと羽を広げていくと、彼らは隠していた能力を使用し始めたのだ。
なので幾つかの地元の都道府県に於いて能力者の存在を確認する必要性が出てきた。
これまで愛九は特殊な能力について、自分だけが賜われた神から贈り物だと考えていた。だがしかし、実はそこそこ同じような能力を持っている人間がいるのだ。
彼らは能力を持ちながらもそれを使うことはなく、平凡に人生を生きていたのだろう。理由は様々あるだろうが、少なくとも愛九には信じられなかった。
授業中。
愛九は物語を紡いでいた。彼にとって芸術の創作活動こそが、最も有意義な時間だった。あらゆる人間のあらゆる感情を使い、あらゆる物語を紡いでいくのだ。
そこにはあらゆる制約を越えた創造的な自由があった。
愛九は既に、彼ら、つまり邪魔者をどうやって排除するか、そんなストーリーを頭の中で紡いでいた。これまでの経験や今の立場を駆使して、最も効率的な方法で駆逐するんだ。
愛九は日本を意のままに動かしていく。既に超日本は愛九の手の中にあるのだ。
地方報道組織と連携しながら、偽のニュースを一斉に伝播していくのだ。サイが愛九に対して行ったように、愛九が今度は彼の秘策を再利用するのだ。
「緊急ニュースが只今入りました」
「緊急ニュースが只今入りました」
「緊急ニュースが只今入りました」
すると効果覿面だった。彼らはまんまと罠に引っかかって、直ぐに自宅の住所をさらけ出してしまった。
だから愛九は今から最も効率的な方法で、複数の能力者達を一斉に粛清するのだ。軍事強化されたIR達を引き連れて、北海道本土侵略の為に超日本列島を横断していく。そしてそのついでに、これまでに割れた地元に散らばる能力者を殲滅する。
「それでは、北海道全土侵略の決行は明日です」
首相官邸の席につく木戸首相の身体を借りて、愛九は同時に軍事部に指示を出していた。これから強化されたIR機体を使用して、北海道本土に進行していくのだ。
軍事強化されたIR機体をメインテナンスしながら、前日は終わる。
決行は明日だ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
電脳世界のクリミナル
加藤彰
SF
少し未来の話。
その時代は『電脳世界』という新たな世界が作られていて、インターネット上に生活空間が広がっており、その世界は全世界と繋がっていてグローバルな社会を形成し、情報が飛び交い、便利な機能も、楽しい娯楽もある。
しかし、そんな光の面があれば、闇の面もあるものだ。
サイバー空間ならではの犯罪が起こった。
時にはネットマネーを強奪する者がいたり、個人情報を盗み取る輩がいたり、時には違法なプログラムを使って人を傷付ける行為が行われていた。
いくら強固なセキュリティがあっても完全に犯罪を根絶やしにすることはできない。
そんな世界で生きるくせ毛の男子高校生、榊原結城は大人気アイドルの握手会に参加することになるが、そこでも当たり前の様に犯罪が起こった。
この世界を脅かす奴を許せない彼は、今日も犯罪者と戦う。
電脳世界を舞台にサイバーバトルがいま幕を開ける!
『電脳世界のクリミナル』
一人のアイドルの周りで起きる様々な事件のお話。
『電脳世界のオーグメント』
大人気ゲーム、VRMMORPGの『ガンソード・オーグメント』から始まる事件のお話。
ACE Girls
ふろいむ
SF
霞ヶ浦学園に通う大学生の鹿島亜美は、幼馴染の大宮霞と一緒に新しいサークル、「ゲームサークル」を立ち上げる。メンバーも増え、フルダイブVRゲームの一つである「Blue Sky Squad」通称BSSで腕を磨いていた亜美たち。順調にサークルから部活へと昇格し、一年が経ち、修了式を迎えた亜美たちを待ち受ける運命とは……
――以下予告風あらすじ。第一話に完全版があります。第二話「序章」からお話が始まります。
駅前のスクランブル。インテリデバイスを通して見える大きな映像は、一つの事件を報道している。
「速報です。ただいま南ストリアを占領中のテログループが犯行声明となる動画を公開しました――」
部員の失踪。テログループの侵略。救出。撃滅。
眼の前にはフルダイブ技術を応用した戦闘機。与えられたのはまるで人間のように振る舞うAI。
これはゲームではない。"本物の空"だ。
「今、助けるから!」
地球の天使、ルミエールと行く、三百年後の未来
Taka123M
SF
孤独な研究者タクミは、大学での理論「SMAI(Super Mind AI)」が認められず、失望と挫折の日々を送っていた。ある日、交通事故に遭い命を落とすが、その直後、量子コヒーレント空間に意識が飛ばされ、そこで天使ルミエールと出会う。
ルミエールは、未来の地球がタクミの理論によって引き起こされた問題に直面していることを伝える。タクミはルミエールとともに三百年後の未来に向かい、問題を解決するために立ち上がる。二人は未来のパリや日本を巡り、ミカミ財団やTOTOとの対決を経て、最終的に平和と調和を取り戻す。
その過程で、タクミは自分の理論と向き合い、トラウマを克服し、ルミエールとの絆を深めていく。最終的に、二人がどうなるかはお楽しみにしてください。
錬金術師と銀髪の狂戦士
ろんど087
SF
連邦科学局を退所した若き天才科学者タイト。
「錬金術師」の異名をかれが、旅の護衛を依頼した傭兵は可愛らしい銀髪、ナイスバディの少女。
しかし彼女は「銀髪の狂戦士」の異名を持つ腕利きの傭兵……のはずなのだが……。
ホロボロイド
食
SF
日本、いや世界で人気を誇るホロボロイドバトル。
プロプレイヤーや配信者、さまざまなコンテンツ展開もされて今やプレイした事がない人はいないと言われるほどである。
アプリケーションや実際にホロットを利用したバトルなど見ない機会がない。
そんななか主人公根尾兎乃は両親がロボットのせいで亡くなったという理由から祖父母にホロボロイドバトルに関わるほぼ全てのことを禁じられていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる