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まだプロローグにすぎない

最悪のプロローグを変えるために

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   あれからもう一ヶ月過ぎ去ろうとしていた。現在宿屋にてシャロンと休んでいる。
   あの後、冬花は最高神ならぬ最凶神ユーピテルの手によってどこかに転送されてしまった。
   あのニヤけた面から助けてやる。絶対に。

   「そろそろお金が尽きてきたのでクエストを受けませんか?なるべく強いのがいいです」
   「何いってるんだ?ヒーラーもいないパーティーメンバーが二人しかいないのに」

   そう今は俺とシャロンしか残っていない。
   この一ヶ月でいろいろ変わったな・・・
   ティアはベルフェゴールとともに失ったメモリーを探す、と言って俺たちとは別行動をとった。
   すずのは・・・

   「なんでそこまでやるの?」
   「こいつさえ倒せれば俺だって・・・」
   「あんたの自分勝手な行動で周りに迷惑をかけてるのが分からないの?今日だって何回死にかけたか」
   「HPが0になってから3分以内に蘇生魔法をかければ死にはしないので、私はその間に蘇生させてくれれば大丈夫です」

   パーティー全体が暗い雰囲気に陥った。だけと俺は冬花を助けられなかった自分への苛立ちでそれをまったく気にしていなかった。
   それからというもの俺たちは無茶なレベルアップを続けとうとう・・・

   「あんたについていけない。私は私でやるわ」
   「待ってくださいすずの!」
   「私は昔の頃が楽しかったよ、いつからだろうねこんなふうになっていったのは」

   そのまますずのは振り返ることなく去っていってしまった。




   それが俺に精神的ダメージを与え、クエストに行かなくなってしまった。貯めたお金も底が見えてきた。明後日には俺とシャロンの食費がなくなるだろう。それが今の状況だ。

   「俺なんかが調子に乗ったからだ、部屋で引きこもりが何自分は主人公なんだとか錯覚しやがって・・・やっぱり俺はソロプレイヤー。マルチプレイすると迷惑をかけてしまう。いっそのこと・・・」

   シャロンは今の今まで俺なんかのためにずっと残っててくれた。もう解放してあげないと。

   「ヒロトをずっと待ってた私はどうだっていうんですか!」

   泣き言を言っているとシャロンが怒声をあげた。そうだよな、こんなやつ怒るのも当然だよな。

   「私は・・・私は前のあなたが好きだったんですよ!」

   突然の言葉に俺は涙や鼻水でクシャクシャになった顔をシャロンの方へと向けた。

   「何をするにも仲間を優先し、時折ダメなところがありますが、役職は底辺なのにモンスターに背中を見せない勇気・・・」

   そこまで言うと口を紡ぎ、我慢していたのをはき出すように

   「何より一緒にいて楽しかったんですよ!」
   「だから私はあなたの事が好きです」
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