完 1週間だけ、わたしの彼氏になっていただけませんか? (番外編更新済み!!)

水鳥楓椛

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番外編② (7)

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 そんな3人を少し複雑そうな表情で見つめていた小鳥遊は、僅かに迷うそぶりを見せた後に困ったような表情で声を上げる。

「………僕さ、ずぅっと言おうか言わまいか悩んでたことがあるんだけど、今日のことで言うべきだと思ったからネタバレさせてもらうね」
(ネタバレ………?)

 深刻そうな表情をした小鳥遊に、結菜、陽翔、唯斗は息を飲む。

「双葉病院長、ずっと結菜さんのことを庇っていたんだ」

 意を結したような表情をした小鳥遊は、全身の筋肉を緊張させ、強張った表情をしている。

「「———は………?」」

 結菜と唯斗から呆気に取られたような声が溢れでた。
 『意味がわからない』という率直な疑問に塗れながら、結菜と唯斗は顔を顰めた。

「元々、結菜さんの血筋が“双葉”ではないと分かった時点で、双葉一族は総出で結菜さんを………放逐しようとしていたんだ」
「っ、」

 結菜は知っていた実情よりも重たい事実を突きつけられ、息を呑む。

「けれど、病院長は自分の名誉が穢されながらもそれを断固として拒否し続けていた。そして、………一族の中で最も優秀であり発言力がありながら、双葉をぶち壊したいと願っている男と結菜さんを結婚させ、一族を継がせることを決めた」
「!?」
(どういうことっ、そんなことをすれば双葉は………!!)

 結菜の思考を読んだのか、小鳥遊は大きく頷く。

「他の誰でもない病院長こそが、双葉を最も嫌い、厭い、破壊しようとしていたんだ。………家柄ではなく、能力で評価される場所を望んでいた。だからこそ、病院長は陰ながら唯斗くんと結菜さんのことをとても可愛がっていた。唯斗くんは根が優秀で陰で努力して着実に力を付けていたし、結菜さんは陰陽両方において文武両道・完全無欠の才女だったからね」

 苦虫を噛み潰したかのような表情で微笑んだ小鳥遊は、そっと言葉を紡ぐ。

「陽翔くんの薬だって、本当は僕の力で取り寄せたわけではないんだ。………全て、病院長の力添えあってこそ」

*************************

読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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