完 1週間だけ、わたしの彼氏になっていただけませんか? (番外編更新済み!!)

水鳥楓椛

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18 ご立腹の理由

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 輝かしい放課後デートを目指して、結菜は一生懸命に学習した。
 一言一句逃さないようにしっかりとメモされたノート、補足まみれの教科書。いつもよりも気合いの入ったものたちに、周囲の人たちはどう思ったのか少し怖いと思いながらも、結菜は無事に放課後を迎えた。

 休み時間の度に陽翔と一緒に過ごしたいと思いながらも、常に眠っている彼を起こすのは忍びなくて、結菜は結局、沢山の生徒たちに囲まれてずっと愛想笑いを浮かべている羽目になった。そして、そんな目にあった結菜は、放課後、ほんの少しだけご立腹だった。

「………なにに怒っているんだ?」

 ぎゅっと握られている手は、昨日から結菜のおねだりによって少しだけバージョンアップして、普通の手繋ぎから恋人繋ぎへと変化している。
 ご立腹ゆえに、ちょっと突飛な行動もできてしまう結菜は、今現在無双状態なのだ。
 甘えるようにして彼との距離をまた詰めた結菜に、陽翔は困惑顔だ。
 彼の方にいつもかかっているヘッドホンは、今現在、結菜の肩にかかっているし、彼の手には結菜のブレザーが握られていて、その代わりに結菜は彼のぶかぶかブレザーを羽織っている。

(学校で眠っているあなたには分かりませんよーだ。学校の中でちょっとだけイチャイチャしてみたいだなんて、思っていませんもんね………!!)

 ぷんすかと怒ったまま微笑んでいる結菜は、彼を握る手に力を入れた。

「なあ、なにが起こっているんだ?」
「………己の胸に手を当てて、よ~く考えてみることですね」

 結菜の鞄に揺れている真っ白なくまさんのキーホルダーが、『なんと理不尽な………!!』と訴えてきているような気がしたが、無視だ無視。
 結菜は、今日1日学校で甘えられなかった分を埋め込むように、ぎゅぅーっと彼にくっついた。

*************************

読んでいただきありがとうございます🐈🐈‍⬛🐈

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