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1章 幸せの花園
60 虚空の夢うつつ (2)
しおりを挟む休暇は罪だ。
怠惰は大罪だ。
ノアは自らにそう言い聞かせ、常に全力であれと自らに課してきた。
休暇中であったとしても、教本を開き、教本さえも開けない時は、何か己に課題を課して、心の中でそれをクリアしてきた。
1分1秒で救える命があるから、1分1秒が、0.1秒でさえも勿体無くて仕方がない。
ノアは《王子さま》だから、救える命全てをできうる限り多く救わなくてはならない。
例え相手が望んでいなかったとしても、使命を果たさなければならない。
身体が、心が、………全てが苦しい。
自らの使命を言い聞かせるために、全身が、自らを構成する全てが、泣き叫び始める。
けれど、ノアは止まれない。
止まるわけにはいかない。
走り続けなければならない。
どんなに苦しくても、どんなに悲しくても、辛くても、悔しくても、走り続けなければならない。
だって、
ノアは、
この国で今現在最も尊き人間、
第1王子ノアール・フォン・アイゼンなのだから———、
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
シリアス先輩の出番しかない小説………、
鬱展開ばかりとなってしまい申し訳ありません。
ですが、これからもこのような感じで鬱ばかりとなってしまいそうです。
こんな作品ですが、最後までノアの成長を見守ってただけるととても嬉しいです!!
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