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1章 幸せの花園
51 リュシエンヌからのプレゼント (2)
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にっこり笑ったであろうリュシエンヌの楽しげな声に、仕草に、ノアの心がぽかぽかと温かくなる。
「それじゃあ、プレゼント渡すね!」
そう言った彼女は、ノアにずいっと包装紙に包まれた小箱を渡してきた。
「今日いきなりだったからあんまり大層なものは用意できなかったけど、あたしなりに欲しいものを買ってみたわ。好きに使ってちょうだい」
彼女からもらった箱を早速開けると、そこには星空のように美しいきらきらとしたラメの輝くインクと青い羽を使って作った万年筆が入っていた。銀細工の彫りが美しいペン先から見るに、相当に上等な品物だ。
大層なものが用意できなかっただなんて、絶対の絶対に嘘だ。
ノアの心はこんなにも浮き足立っている。
それに、このプレゼントは星が瞬く美しい夜空が大好きなノアの趣味を熟知していないと、絶対に選ぶことができないプレゼントだ。普段は絶対にキラキラピカピカしたものを使わないノアには、全くもって似合わないし、普通であれば趣味ではないと勘違いするだろう。
「ありがとう、リュシエンヌ。本当にっ、ありがとう!!」
ノアの大袈裟にも聞こえかねない感謝の言葉に、リュシエンヌはちょっとだけ済ました態度を取る。けれど、彼女が心の底では喜んでいることぐらい、そこそこに長い付き合いになってきたノアには、ちゃんと伝わっている。
彼女はいわゆるツンデレなところがあって、少々他人への当たりが強い。物事をはっきり言いすぎるせいで、多分人の心を簡単に傷つけてしまうことができる。
でも、ノアはちゃんと彼女の優しさを、本心を、多分、おそらく、理解している。
「リュシエンヌ、ううん、リュシー。僕に最高のプレゼントを選んでくれて、ありがとう」
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
「それじゃあ、プレゼント渡すね!」
そう言った彼女は、ノアにずいっと包装紙に包まれた小箱を渡してきた。
「今日いきなりだったからあんまり大層なものは用意できなかったけど、あたしなりに欲しいものを買ってみたわ。好きに使ってちょうだい」
彼女からもらった箱を早速開けると、そこには星空のように美しいきらきらとしたラメの輝くインクと青い羽を使って作った万年筆が入っていた。銀細工の彫りが美しいペン先から見るに、相当に上等な品物だ。
大層なものが用意できなかっただなんて、絶対の絶対に嘘だ。
ノアの心はこんなにも浮き足立っている。
それに、このプレゼントは星が瞬く美しい夜空が大好きなノアの趣味を熟知していないと、絶対に選ぶことができないプレゼントだ。普段は絶対にキラキラピカピカしたものを使わないノアには、全くもって似合わないし、普通であれば趣味ではないと勘違いするだろう。
「ありがとう、リュシエンヌ。本当にっ、ありがとう!!」
ノアの大袈裟にも聞こえかねない感謝の言葉に、リュシエンヌはちょっとだけ済ました態度を取る。けれど、彼女が心の底では喜んでいることぐらい、そこそこに長い付き合いになってきたノアには、ちゃんと伝わっている。
彼女はいわゆるツンデレなところがあって、少々他人への当たりが強い。物事をはっきり言いすぎるせいで、多分人の心を簡単に傷つけてしまうことができる。
でも、ノアはちゃんと彼女の優しさを、本心を、多分、おそらく、理解している。
「リュシエンヌ、ううん、リュシー。僕に最高のプレゼントを選んでくれて、ありがとう」
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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
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