永遠を生きる魔女と元王子の使い魔くん 〜永遠を生きる魔女と世界を恨んでいる元王子の初恋は、全世界を敵に回す〜

水鳥楓椛

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1章 幸せの花園

50 お誕生日会 (2)

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 僅かにズレたおめでとうと言う言葉に、ノアはフリーズした。
 今まで、こんなふうに祝ってもらったことなんてなかったから、ノアは今どうすべきなのか、さっぱりわからない。どういう表情をするのが正解かもわからない。

 でも、これだけは言える。

「ありがとう、ございますっ、」

 感謝の気持ちを忘れないことは大事。
 だからこそ、ノアは常に微笑み相手への感謝の心を忘れぬように、お礼を伝えるように心に刻み込んでいる。

「どういたしましてぇ」
「こら!トワさんは何にもしてないでしょ!?あたしだけお仕事だったなんておかしいわ!!」
「へーじゃあこの部屋のライト設定はぁ?バルーンたちはぁ?」
「と、トワさんが用意したものです」
「あらあらぁ、じゃあぁ、何も言われる必要なんてなかったわねぇ」
「むぐっ」

 居心地が悪そうになったリュシエンヌと、艶々と嬉しそうな表情をしている魔女。

 そんな二人の様子が愛おしくて、可愛くて、ノアは微笑む。

「2人で用意した、それだけで十分です」

 ———僕にとっては、かけがえのない大事な大事なプレゼントだ。

*************************

読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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