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1章 幸せの花園

36 漆黒の復讐、黄金の裁き (1)

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 訓練場を出て、魔女は獣道を飛ぶ。
 優雅に空中を歩く姿はまるでマジシャンのようだ。

「ノアぁ、わたしは今どこに向かっているでしょうかぁ?」
「………———僕と魔女様が出会った場所、ですか?」
「せいかぁい」

 魔女とノアの出会った場所は、フクが捨てられていた花畑同様に、魔女曰く結界が薄い区画らしい。
 結界が薄い区画には魔力がある人間ならば誰でも入れるらしく、大きな魔法を使える人間が入れば、魔女には即分かるものらしい。
 つまり、ノアと同等程度の魔力を持つ人間がノアと魔女が出会った場所に入り込んでいるというわけだ。

「お相手は気づいているのですか?」
「多分これは気づいているわねぇ。こっちにブンブン魔力をぶつけてきてるわぁ。まあでもぉ、魔力の性質が闇と光以外だからぁ、ノアには感じられないかもぉ」
「………感じられませんね」

 魔女が飛んでいる場所の下である獣道を、ノアは全力疾走する。

 ———僕も飛びたい………。

 段差などがない場所を走ることができたらどれだけ快適なものだろうかと考えながら、ノアは魔女の考察を聞く。

「身体の大きさから考えるとぉ、歳の頃はノアとお揃いかなぁ。まぁでも女の子っぽいしぃ、ノアより年下かもぉ」
「………男の子よりも女の子の方が幼少期の成長は早いことが多いのですよね」
「そうだよぉ~。よぉ~くお勉強できていてえらいえらい」

 魔女の真っ白な指先が、ノアの髪をわしゃわしゃとかき混ぜる。
 尖った爪でノアの肌を傷つけるこちのないように工夫して撫でてくれる魔女の撫で方が、ノアは大好きだ。本人には絶対に言わないが。

*******************

読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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