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1章 幸せの花園
22 後悔先に立たず (1)
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「———、」
ティアラがノアの暮らす魔女のログハウスで一緒に過ごし始めてから1週間、ノアはむすっとくちびるを尖らせていた。
ノアの手元にあるのはミミズがはったかのようにうねうねとした縫い目の走る布地。
「ぶふっ、」
無言で固まってしまったノアの手元を覗き込むティアラは、ついつい口から大きな空気をこぼしてしまった。
「笑ったな?」
「はうっ!ご、ごめんなっ、びゃあ!!ふふっ、あはははっ!!」
ここ1週間で気の置けない間柄となったノアとティアラは、脇をこしょこしょとくすぐって戯れる。ひとしきりノアがティアラに意地悪をした頃には、ティアラは息も絶え絶えにぐったりとしていた。
「………それにしても、ノアは本当に刺繍だけはできないのね」
「僕からすると、逆に君の方が怖いよ。なんで刺繍以外がこんなに壊滅的にできないわけ?アレなら多分、魔女さまの方がまだマシなお仕事をするよ」
ティアラとノアは互いに呆れたような声をこぼし合って、その後ノアは全てを諦めたようにブスッとした表情をしたのちに、立ち上がった。
「お昼ごはん作ってくる」
「いってらっしゃい。魔女さまは私が起こしとくね?」
「あぁ、頼む」
ずっと一緒にいたかのような錯覚を抱いてしまいそうなくらいに連携をとることができるようになったノアとティアラは、互いに協力し合いながら行動していた。
ここ1年でお互いにおざなりになりかけていた宮廷作法を再び履修し、魔女との生活では行う機会を失っていた社交ダンスの練習もした。
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