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1章 幸せの花園
13 星空の誓い (3)
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「この花って珍しいのぉ?」
「はい。数100年前までは普通に咲いていたそうですが、ここ最近では見つける度に国が保護しているほどに珍しいです」
「そうなんだぁ」
瞳を輝かせ、満月と星空、そして月花草を見つめるノアは、この世にこんなにも美しい景色が存在していることに驚き、そして感嘆した。
———僕は、この世の美しいもの全部をこの瞳に収めてみたい。
初めて自分で何かを望んだ気がする。
王子としてではなく、ただのノアとして欲しいものを、初めて見つけた気がする。
「ノアぁ、このお月さまに誓ってあげるわぁ。わたしは、お前の願いを叶え続けると」
「っ、」
「ノアは王位簒奪を狙っている。違うぅ?」
魔女の妖艶な笑みに、ノアはきゅっと表情を引き締める。
「あぁ。………僕は国王にならなくてはならない。それが、王子として、王太子として生を受けた僕の使命なのだから」
薄青の満月と満点の星空を背負ったノアは、月花草の花畑の中央に立ち、瞳に籠る熱を滾らせながら誓いを立てる。
「僕は王となる。そして、この腐った世界を変えてみせる。誰もが幸せに暮らせる世界になるように」
心に宿る憎悪は、嫌悪は、決してノアの心から無くなる日なんて来ないだろう。たとえ魔女に愛されようとも、可愛がられようとも、ガラスにつけた傷のように、絶対に消し去ることなんてできない。
「僕は僕の運命を捻じ曲げた現国王を、———許さない」
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
「はい。数100年前までは普通に咲いていたそうですが、ここ最近では見つける度に国が保護しているほどに珍しいです」
「そうなんだぁ」
瞳を輝かせ、満月と星空、そして月花草を見つめるノアは、この世にこんなにも美しい景色が存在していることに驚き、そして感嘆した。
———僕は、この世の美しいもの全部をこの瞳に収めてみたい。
初めて自分で何かを望んだ気がする。
王子としてではなく、ただのノアとして欲しいものを、初めて見つけた気がする。
「ノアぁ、このお月さまに誓ってあげるわぁ。わたしは、お前の願いを叶え続けると」
「っ、」
「ノアは王位簒奪を狙っている。違うぅ?」
魔女の妖艶な笑みに、ノアはきゅっと表情を引き締める。
「あぁ。………僕は国王にならなくてはならない。それが、王子として、王太子として生を受けた僕の使命なのだから」
薄青の満月と満点の星空を背負ったノアは、月花草の花畑の中央に立ち、瞳に籠る熱を滾らせながら誓いを立てる。
「僕は王となる。そして、この腐った世界を変えてみせる。誰もが幸せに暮らせる世界になるように」
心に宿る憎悪は、嫌悪は、決してノアの心から無くなる日なんて来ないだろう。たとえ魔女に愛されようとも、可愛がられようとも、ガラスにつけた傷のように、絶対に消し去ることなんてできない。
「僕は僕の運命を捻じ曲げた現国王を、———許さない」
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