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1章 幸せの花園
7 目覚め (2)
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「大丈夫だよぉ」
耳に響く声に『ウソだ!』と呟きながら、ノアは自らを襲う灼熱にぶつぶつと文句を言い続ける。
「あははっ、子どもという生きものは元気なのねぇ」
———いたい、あつい、
「泣くと熱が上がるというのにぃ、なんで泣いちゃうんだろうねぇ」
———あつい、くるしい、
口の中に何度も苦いものが流し込まれ、額に当てられるものが何度も何度も交換されるが、ノアの熱さは一向に終わりを迎えない。
———僕が悪い子だから、いっつもいっつもこんなに苦しい目に遭うのかな………、
ぐるぐると襲ってきていた熱がだんだんと柔らかくなり、そして呼吸が落ち着いた。
それはまるでノアには罰を受ける資格すらもないと言われているようで、ノアにはそれが無性に寂しかった。
苦しいはずなのに、痛いはずなのに、ノアは家族を見殺しにした罰を受けることを望んでいた。自分を殺そうとした人間を見殺しにしただけにも関わらず、ノアは自分を許せない。民のためには傍若無人な両親を見殺しにすることこそが正しかったと理性は言うのに、血の繋がっている両親を救うべきだったと感情が叫ぶ。
「ごめん、なさい。………ごめん、な、」
「謝らない、謝らない」
ふわりふわりと頭を撫でられたノアは、なれない感触に首を傾げながら目を覚ました。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
耳に響く声に『ウソだ!』と呟きながら、ノアは自らを襲う灼熱にぶつぶつと文句を言い続ける。
「あははっ、子どもという生きものは元気なのねぇ」
———いたい、あつい、
「泣くと熱が上がるというのにぃ、なんで泣いちゃうんだろうねぇ」
———あつい、くるしい、
口の中に何度も苦いものが流し込まれ、額に当てられるものが何度も何度も交換されるが、ノアの熱さは一向に終わりを迎えない。
———僕が悪い子だから、いっつもいっつもこんなに苦しい目に遭うのかな………、
ぐるぐると襲ってきていた熱がだんだんと柔らかくなり、そして呼吸が落ち着いた。
それはまるでノアには罰を受ける資格すらもないと言われているようで、ノアにはそれが無性に寂しかった。
苦しいはずなのに、痛いはずなのに、ノアは家族を見殺しにした罰を受けることを望んでいた。自分を殺そうとした人間を見殺しにしただけにも関わらず、ノアは自分を許せない。民のためには傍若無人な両親を見殺しにすることこそが正しかったと理性は言うのに、血の繋がっている両親を救うべきだったと感情が叫ぶ。
「ごめん、なさい。………ごめん、な、」
「謝らない、謝らない」
ふわりふわりと頭を撫でられたノアは、なれない感触に首を傾げながら目を覚ました。
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