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しおりを挟むアクアマリンの瞳をゆっくりと開いた瞬間、ヴァイオレットの瞳が映す世界は、死臭と腐敗臭がするねずみが走る血みどろの地下牢から、美しいシャンデリアと色とりどりの可愛らしいドレスが、くらげのようにふわふわと泳ぎ、人々の視線を魅了する場所へと移動していた。
そんな美しく輝かしい場所の中央で、濃紺のプリンセスラインのドレスに身を包み、藤色の緩くウェーブした髪を硬くきっちりとシニヨンに結い上げたヴァイオレットは、穏やかに微笑み、優雅に佇んでいた。
「ヴァイオレット・エイレン!僕の愛おしい人をいじめた悪女!悪逆無道な貴様をそばに置いておくことなど到底できない!よって、貴様との婚約を破棄する!!」
きらきらふわふわと輝く王族特有の金髪をわんちゃんみたいにぴょんぴょんと跳ねさせながら、ヴァイオレットの婚約者であり、この国の王太子ディートリヒ・ガーナイトがきゃんきゃん喚く。
(あぁ、またですか………、)
妙に堂に入った完璧なポーズと表情なのにも関わらず、ヴァイオレットにはそれが吠えることでしか力を誇示できない小型犬のようにしか見えない。 というか、これが小型犬と同様とか、小型犬に失礼だ。
通算100回目を迎えるループを体験しているヴァイオレットは、大きく溜め息を吐いた。
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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
今日中に完結する予定です。
プロットなし止めるものなしの超特急列車。
最後までお楽しみいただけると嬉しいです!!
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