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1 あの、なんのことでしょうか?
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▫︎◇▫︎
「シェリル・ラ・マルゴット!卑しく僕に噛み付く悪女め!!聖女チェルシーを虐める陰湿なお前とは、今この瞬間を以て、貴様との婚約を破棄しゅるっ!!」
太陽のような黄金の輝きを放つ髪と瞳を持つこの国の小さき太陽たる王太子、アルゴノート・フォン・メッテルリヒさまは、先程まで順調に壁のお花を極めていた私、シェリル・ラ・マルゴットを無理矢理ダンス会場の中央に連れてきたかと思った次の瞬間、意味不明なことを叫んだ。
腰まで伸びたプラチナブロンドを揺らし、私はぱちぱちと灰色の瞳瞳を瞬かせる。
「あの………、なんのことでしょうか?」
あまりにも素っ頓狂なことを叫ぶ幼馴染に素直にびっくりしながら、私は斜め後ろに控える自らの愛おしい従者に声をかけた。
「私、彼と婚約していたの?」
鈴を転がすような声が、しんと静まり返ったパーティー会場内にやけに大きく響く。
私はその自分が目立っている状況に、早くもお口の中に痛酸っぱいものが逆流しているのを感じながら首を横に振る従者の返答に苦笑したのだった。
(うぅー、胃がいたい)
*************************
この作品を見つけていただき、そして読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
今日明日、3話まで一気に公開後、2時間おきに1話更新をします!!
ぜひ最後までお楽しみください♪
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腰まで伸びたプラチナブロンドを揺らし、私はぱちぱちと灰色の瞳瞳を瞬かせる。
「あの………、なんのことでしょうか?」
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「私、彼と婚約していたの?」
鈴を転がすような声が、しんと静まり返ったパーティー会場内にやけに大きく響く。
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