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「………お名前を伺っても構いませんか?今日お手伝いしていただいたということは、あなたたち4人がわたしの担当になるのですよね?」

 4人の侍女さんたちは目をぱちぱちとさせたあと、全員で顔を見合わせていた。わたしよりも年下であろう少女たちのあどけない仕草に、なんだかお菓子をあげたいようなそんな庇護欲をそそられた。

「ルビーと申します」
「サファイアと申します」
「エメラルドと申します」
「アクアマリンと申します」
「「「「どうぞよろしくお願いします」」」」

 一糸乱れぬ仕草に、けれど僅かながらの違いを見出したわたしは、彼女たちに頭を上げるように言いながら、マーサさんに促されるままに椅子に腰掛けた。

「ルビーさんとサファイアさんが双子で、エメラルドさんとアクアマリンさんが双子なのですか?」
「「「「よくお気づきになられましたね」」」」

 やっぱり、4人ともよく似ている。
 けれど、僅かにエメラルドさんとアクアマリンさんの方がおっとりしている気がする。

「素敵なお名前ですね。双子で姉妹石のお名前を分け合うってとってもロマンチックです」

 わたしの言葉に、4人の可愛い侍女さんはふわっと花が綻ぶように微笑んだ。

「父がつけてくれたんです。双子が生まれたら絶対に姉妹石の名前にするんだって豪語していたくらいに、宝石が好きな人だったんですよ」
「まぁ!素敵なご両親ですね」
「はい」

 4人のリーダー格であるらしいルビーの言葉に、わたしは口元が自然な笑みを浮かべるのを感じた。

「これからよろしくお願いしますね」
「「「「はい」」」」

 絶望しかなかったこの公爵邸での生活に、一筋の光が宿ったような、そんな希望が芽生えたことに、わたしは喜びを覚えた。

*************************

読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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