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番外編 アフォガートのたたかい方
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モカじゃないと何の意味も持たない。
「そうですか。では、俺は自室で休ませていただきます」
ラテとカプチーノに渡された婚姻届に名前を書いたアフォガートは、自室に篭り部屋の内側に簡易の閂を叩き、ベッドに寝っ転がった。ラテのどうして扉が開かないのかと怒鳴る声と物が壊れる音が聞こえるが、そんなことは知ったことではない。
それから1年はラテとカプチーノが出かけている間のみ部屋の外に出て、長期保存可能なできる限りの多くの保存食等々を持って部屋に立て篭もり、アフォガートはラテたちの興味が自らから去る事を待ち続けた。
日に日に頬がこけ、肌が青白く、筋肉が衰えて行くのを感じたが、アフォガートにはこれしか道が残っていなかった。
ストレスによって喉を通らぬ食事を辛うじて飲み込み、ラテたちに出会った時にはできうる限り虚ろで正気を失った顔と行動をする。
何十年にも感じられる虚無で空虚な時間は、アフォガートの心をじわりじわりと確実に蝕んでいった。
部屋の中でモカの遺していったものに囲まれて暮らしていなかったら、アフォガートは1年も持たずして自害していたかもしれない。
今日も彼女がくれた手紙を撫でて、撫でて、撫でて………、瞳から溢れる涙によって便箋が濡れてしまわないように注意しながら彼女の手紙を抱きしめる。
———コンコンコン、
………このノックの仕方はラテ嬢だな。
居留守を用いようとベッドに寝っ転がった瞬間、アフォガートの耳を不愉快で仕方がない声がくすぐった。
「わたくし、あなたと離婚いたしますわ。幸いにもわたくしとあなたは清い関係。扉の間から離婚届を突っ込みますので、サインしてさっさと返してくださいませ」
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
「そうですか。では、俺は自室で休ませていただきます」
ラテとカプチーノに渡された婚姻届に名前を書いたアフォガートは、自室に篭り部屋の内側に簡易の閂を叩き、ベッドに寝っ転がった。ラテのどうして扉が開かないのかと怒鳴る声と物が壊れる音が聞こえるが、そんなことは知ったことではない。
それから1年はラテとカプチーノが出かけている間のみ部屋の外に出て、長期保存可能なできる限りの多くの保存食等々を持って部屋に立て篭もり、アフォガートはラテたちの興味が自らから去る事を待ち続けた。
日に日に頬がこけ、肌が青白く、筋肉が衰えて行くのを感じたが、アフォガートにはこれしか道が残っていなかった。
ストレスによって喉を通らぬ食事を辛うじて飲み込み、ラテたちに出会った時にはできうる限り虚ろで正気を失った顔と行動をする。
何十年にも感じられる虚無で空虚な時間は、アフォガートの心をじわりじわりと確実に蝕んでいった。
部屋の中でモカの遺していったものに囲まれて暮らしていなかったら、アフォガートは1年も持たずして自害していたかもしれない。
今日も彼女がくれた手紙を撫でて、撫でて、撫でて………、瞳から溢れる涙によって便箋が濡れてしまわないように注意しながら彼女の手紙を抱きしめる。
———コンコンコン、
………このノックの仕方はラテ嬢だな。
居留守を用いようとベッドに寝っ転がった瞬間、アフォガートの耳を不愉快で仕方がない声がくすぐった。
「わたくし、あなたと離婚いたしますわ。幸いにもわたくしとあなたは清い関係。扉の間から離婚届を突っ込みますので、サインしてさっさと返してくださいませ」
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