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番外編 ラテの誤算

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「ようこそ、ラテ」

 にたっと笑ったエスプレッソの表情に、ゾゾっと悪寒が走る。
 先程までの優しい声も、表情も、どこか遠くに行ってしまったエスプレッソはただただニタニタと気持ちの悪い笑みを浮かべている。それに、よくよく見てみると、ここにいる美女たちは皆美しいのにどこか人形のような空虚さを孕んでいる。

「あ、の………、」
「僕の愛しの13の妻」

 ふるりと震える身体と嘲笑うような泣きそうな表情をした美女たち。

 なん、で………、

 頭の中をかける言葉に、後ろで唖然としているお母様に、憎悪が、赫怒が、湧き上がる。

「13番とはどういう事ですの?」
「ん?そのままの意味だよ」

 にっこりと笑いながら言ったエスプレッソの言葉に、くらっと目の前が真っ暗になる。

「さあ、愛しの蝶たち新たな蝶を13番目の離宮に案内しておくれ」
『承知いたしました』

 感情のない美しい声が揃っているのを聞くと、ゾゾっと背筋に悪寒が走った。

 わたくしもこうなるの………?

 ———いやだ、いやだ、いやだ、いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ………!!

 エスプレッソが本邸に入って行く背中を見送ったラテは、咄嗟に後ろに下がろうとするが、それは叶わなかった。

「ダメよぉ?逃げようなんて考えたら。そんな事をしたら、あの子みたいに羽をもがれちゃう」

 露出の多い服を身につけた褐色の肌を持つ異国風情溢れる妖艶な美女がおっとりと視線で指した先には、車椅子に座る美女がいた。
 12人の美女の中でも1番正気を失っているあの子の足には靴がなく、鎖で足が縛られている。

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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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