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10 お姉様、コレちょーだい
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「ラテ嬢、あなたに一目惚れいたしました。どうか私の妻になっていただけませんか?」
「えっ!?でも、あなたはお姉様の婚約者でっ!!」
わざとらしい驚きの声と表情に、けれど、エスプレッソは簡単に引っかかる。
「そんなことは関係ありません。私は自らの欲望に従って動きます。ラテ嬢は見た目がよく仕事こそできますが、あなたのような愛想がありません。たった1日過ごして分かりました。私は、モカ嬢とは幸せな家庭を作ることができない。けれど、あなたとなら作れる。私の目指す、幸せな家庭を………!!」
演劇のように大きな身振り手振りで伝えるエスプレッソに悲しそうな表情を向けたモカは、次の瞬間には勝ち誇ったような無邪気な笑みを浮かべている天使の皮を被ったラテに身体を向ける。
エスプレッソの前に跪き、ぎゅっと彼の手を握り込んだラテは、あの日と同じように、無邪気に笑う。
「お姉様、コレちょーだい」
———純粋無垢に見せかけた笑みの後ろには、どんな汚れが潜んでいるのだろうか。
「待ちっ、」
「えぇ、いいわよ」
絶望したかのように止めに入るカプチーノの言葉を遮るように、モカが頷く。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
「えっ!?でも、あなたはお姉様の婚約者でっ!!」
わざとらしい驚きの声と表情に、けれど、エスプレッソは簡単に引っかかる。
「そんなことは関係ありません。私は自らの欲望に従って動きます。ラテ嬢は見た目がよく仕事こそできますが、あなたのような愛想がありません。たった1日過ごして分かりました。私は、モカ嬢とは幸せな家庭を作ることができない。けれど、あなたとなら作れる。私の目指す、幸せな家庭を………!!」
演劇のように大きな身振り手振りで伝えるエスプレッソに悲しそうな表情を向けたモカは、次の瞬間には勝ち誇ったような無邪気な笑みを浮かべている天使の皮を被ったラテに身体を向ける。
エスプレッソの前に跪き、ぎゅっと彼の手を握り込んだラテは、あの日と同じように、無邪気に笑う。
「お姉様、コレちょーだい」
———純粋無垢に見せかけた笑みの後ろには、どんな汚れが潜んでいるのだろうか。
「待ちっ、」
「えぇ、いいわよ」
絶望したかのように止めに入るカプチーノの言葉を遮るように、モカが頷く。
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