7 / 26
7 馬車の中
しおりを挟む
▫︎◇▫︎
次の日、モカは昨日婚約者となったエスプレッソと共に馬車に乗っていた。
ガタゴトと揺れる馬車は3年前彼女が王宮に向かうために揺られたものよりも、格段に快適な品だった。
「モカ嬢の趣味は何ですか?」
「………お花を弄るのが好きですね」
「じゃあ、君の離宮には大きな花壇を用意しないといけませんね」
「………………、」
「モカ嬢の好きな食べ物は何ですから?」
「………マカロンが好きです」
「確かうちのシェフの得意なお菓子でしたね。彼は他にもトゥンカロンが得意だと言っていたので、ぜひ食べてみたらいいと思います。私も御相伴に預かったことがありますが、アレは非常に絶品でした」
「………………、」
静かで口数の少ないモカに、焦れたエスプレッソがいくつもの質問を行う。
数年ぶりに髪を完璧に下ろしたモカは、行きとは僅かに異なる風景となった窓の外を見つめながら、深い紫色をしたフレアスカートを撫でる。
スカートと、ふんわりとしたデザインと大きなリボンが愛らしいサテン生地のの真っ白なブラウスは、昨日荷造りをしていた際に見つけたものだ。
久方ぶりに身につけた私服は、肌触りが悪いが不思議と悪い気分はしなかった。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
次の日、モカは昨日婚約者となったエスプレッソと共に馬車に乗っていた。
ガタゴトと揺れる馬車は3年前彼女が王宮に向かうために揺られたものよりも、格段に快適な品だった。
「モカ嬢の趣味は何ですか?」
「………お花を弄るのが好きですね」
「じゃあ、君の離宮には大きな花壇を用意しないといけませんね」
「………………、」
「モカ嬢の好きな食べ物は何ですから?」
「………マカロンが好きです」
「確かうちのシェフの得意なお菓子でしたね。彼は他にもトゥンカロンが得意だと言っていたので、ぜひ食べてみたらいいと思います。私も御相伴に預かったことがありますが、アレは非常に絶品でした」
「………………、」
静かで口数の少ないモカに、焦れたエスプレッソがいくつもの質問を行う。
数年ぶりに髪を完璧に下ろしたモカは、行きとは僅かに異なる風景となった窓の外を見つめながら、深い紫色をしたフレアスカートを撫でる。
スカートと、ふんわりとしたデザインと大きなリボンが愛らしいサテン生地のの真っ白なブラウスは、昨日荷造りをしていた際に見つけたものだ。
久方ぶりに身につけた私服は、肌触りが悪いが不思議と悪い気分はしなかった。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
47
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる