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第九章 籠の鳥が羽ばたく時
帰り道
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馬車は軽やかに道を走り、人々を故郷へと運んでいく。
アイリーン用の豪華な馬車に乗り、エルシーは帰り道を楽しんでいた。
隣にはアイリーンが座り、彼女の向かいにはブライアンがいた。
今、ブライアンは春の陽気の中で眠り込んでいた。
アイリーンはうっとりと彼を眺めている。
「あぁ、本当に素晴らしいですわね。ブライアンのお顔は」
「え、えぇ…………」
アイリーンの熱心さについていけないものを感じつつ、一応は同意するエルシー。
確かに容姿だけは最高の美男子なのだが……。
(あれほど外見にこだわる人はちょっと嫌だけど)
(アイリーンが面食いなのは原作通りですね。お芝居が好きなのも、美男美女を好きなだけ眺めていられるからだそうです)
(…………)
義姉の意外な一面を知り、戸惑いつつもエルシーは喜びを感じていた。
結局、あれほどブライアンが外見を磨いていたのはアイリーンのためなのだ。二人共、これからは幸せになれるだろう。
「これほど姿形にこだわるのは、さぞ愚かしく見えるのでしょうけど……何があっても変わらないものなど無いのですもの」
美貌だけではなく、地位や財産も一瞬にして失われることがある。そして知性でさえも失くしてしまう可能性はあるのだ。ブライアン自身がそうだった。
「それに、きっとブライアンなら年を取っても素敵ですわ」
アイリーンは美しい笑顔を見せた。
エルシーも微笑み返した。
「エルシーも、そのドレスが良く似合っていますわね」
嬉しそうに微笑み掛けるアイリーンに、エルシーも笑顔になる。
「えぇ、お姉様が選んでくださったのですもの」
エルシーは来た時とは違う水色の華やかなドレスを着ていた。
アイリーンは「もっと貴女に似合う服装をしなくては」と、アイリーンが道中の町で選んだものだ。
ブライアンを見つめるアイリーンの顔に影が差す。
「ブライアンは昔、とても賢かったのですわ。わたくしよりも。わたくし、ブライアンに相応しい淑女になりたくて、勉強に力を入れるようになりましたの」
ブライアンが原因不明の熱病で、今のようになってからはアイリーンとの差は開くばかり。それでも彼はアイリーンを疎んじることはなかった。アイリーンが褒められることを喜び、彼女を素直に尊敬した。アイリーンはこっそり彼に勉強を教えていた。
「教えることには苦労しましたけど、わたくしにとっては幸せな時間でしたわ」
「知りませんでした」
「わたくしが黙っているように頼んでいたからですわ。……約束を守っていてくださったのね」
アイリーンは目に涙を浮かべつつも、幸せそうに微笑んだ。
エルシーはそんな義姉を微笑みながら見守っていた。
外から柔らかな春の日差しが差し込んでくる。
緑の野には野薔薇が咲き、華やかに旅路を彩っていた。
ふいにアイリーンが取り出した物は、レースの飾りであった。
エルシーは、それに見覚えがあった。
「お姉様、それは…………」
「お母様が最後にわたくしにくださったものよ」
エルシーが公爵家に来る時に、アイリーンのために編んだレースである。
義姉の冷たい態度と立派な服装に気遅れして渡せずにいたものだった。
「そんな昔のものを持っていてくださったのですか?今見ると恥ずかしいものですけど、大事にしてくださって嬉しいわ」
アイリーンは自分の母の事……公爵の前妻アーシュラのことを語った。
アーシュラには結婚する前、恋人がいたが、親の命令で彼と別れ、エインズワース公爵家へ嫁いできた。その時から、自分の殻に籠ってしまったように冷たい女性になったという。
「帝国へ行く前に、ダンヴァース侯爵にお会いしましたの。母の昔の恋人だった方ですわ」
アイリーンの結婚に祝福の言葉を述べながらも、気遣うように言われた言葉が心に残っている。
『本当に貴女は幸せなのだろうか?』
『今の貴女は結婚する前の彼女のような顔をしているよ』
アイリーンは嘆息して呟いた。
「わたくしは、母と同じ道を辿るところでしたのね」
貴族として生まれた自分が好き勝手に生きていいとは思わない。
だが、不幸な人間が他の人間まで不幸にすることは少なくないのである。
「身分の高い人ほど、不自由になるのは仕方のない事でもありますけど……。家庭の乱れが国の乱れに繋がることも多いのです。義務を果たすのなら、それを喜びだと思えなければ、人々を幸せにすることはできないと教わりましたわ」
エルシーは思い出す。聖女として教育を受けた時に、教わった歴史の数々。
人間には感情がある。時として感情を抑えることは必要だが、人間性を押しつぶすような生活は、人を不幸にし、他の人間にも害を及ぼす。
「ブライアンとの縁談は母の意思ですわ。父の方はもっと身分の高い方と結婚させたがっていましたのよ。母はわたくしの気持ちを知っていて、幸せな結婚ができるようにと願っていたのだと思いますわ」
アイリーンは微笑み、遠い記憶を探るように視線を宙に彷徨わせた。
「子供の頃、母親の手作りのものを身に着けている子が羨ましかったのですわ」
思い切って母に頼んでみても、煩わし気に「もっといいものを作らせますよ」と言われただけだった。
その約束すら、忘れられてしまったけど……。
「わたくしが望んだものは、そういうものではないのですもの」
大事な人が自分のために手間暇かけて、真心を込めて作ってくれたもの。
アイリーンは嬉しそうにレース飾りを手に取った。
「ですから、これを頂いた時には、とても嬉しかったのですわ」
そしてまた、アイリーンの顔に悲しみがよぎる。
「その時に、貴女の事を頼まれましたのに……。わたくしにしか頼めないと仰って」
ミュリエルはアイリーンがエルシーを嫌っておらず、本当は仲良くしたかったのだと気づいていた。
そして、アイリーンのことも案じていた。皇帝と結婚してもよいのかと気にしていた。
「そのお母様のことがあったのに、わたくしはずっと……」
エルシーは励ますように言った。
「もういいのです、こうしてお姉様と仲良くしていくことができるのですもの。お姉様が良い方だということが、私にはわかっていました」
「ありがとう、そしてごめんさない。これからはずっと姉妹として仲良くやっていけますわね?」
「はい!」
ブライアンが目を開け、大きく伸びをした。
「ふわぁ……。まだグリーンフィールドは先だね。久しぶりだな、アイリーンと一緒に馬車に乗るの。アイリーンはやっぱり女神のように綺麗だね」
ブライアンはそう言ってにこにこと満面の笑顔でアイリーンを見つめた。
「まぁ…………」
ほんのり頬を染めて彼を見つめるアイリーン。
自分の存在が忘れられたのを悟って、エルシーは馬車を止めた。
薄桃色の髪が風になびく。彼女は漆黒の馬にまたがる勇者へと歩いて行った。
「乗り心地はどう?」
「最高だよ!こいつは本当にいい馬だな!」
バートランドは輝くような笑顔で答えた。
つやつやした美しい毛並みの見事な黒馬は、アイリーンからの褒美であった。
軍馬としての訓練も積んでいるため、戦いにも連れていける。
「エルシーも乗るか?」
「乗りたいわ!」
弾むような声で答えた少女をの手を掴んで、バートランドは自分の前に乗せた。
風を受けて、馬はゆっくりと歩き出す。
楽し気に馬上の恋人達は笑いあって乗馬を楽しんだ。
「腕輪が壊れてしまったわ」
「君を守ってくれたのなら、嬉しいよ。またいい物を探さないとな」
「貴方のマントも新しく作りたいわ」
藍色の髪の貴公子の目にも彼らの楽しそうな様子が映った。
ふわふわした満開の花のような薄桃色の髪、輝くすみれ色の瞳、暖かな笑顔が瞼に焼き付く。
(もっと早く気づいていれば……)
諦めたように微笑んで、彼もまた馬を進めた。
わずかな影はあっても、故郷へ帰る人々の歩みは軽かった。
アイリーン用の豪華な馬車に乗り、エルシーは帰り道を楽しんでいた。
隣にはアイリーンが座り、彼女の向かいにはブライアンがいた。
今、ブライアンは春の陽気の中で眠り込んでいた。
アイリーンはうっとりと彼を眺めている。
「あぁ、本当に素晴らしいですわね。ブライアンのお顔は」
「え、えぇ…………」
アイリーンの熱心さについていけないものを感じつつ、一応は同意するエルシー。
確かに容姿だけは最高の美男子なのだが……。
(あれほど外見にこだわる人はちょっと嫌だけど)
(アイリーンが面食いなのは原作通りですね。お芝居が好きなのも、美男美女を好きなだけ眺めていられるからだそうです)
(…………)
義姉の意外な一面を知り、戸惑いつつもエルシーは喜びを感じていた。
結局、あれほどブライアンが外見を磨いていたのはアイリーンのためなのだ。二人共、これからは幸せになれるだろう。
「これほど姿形にこだわるのは、さぞ愚かしく見えるのでしょうけど……何があっても変わらないものなど無いのですもの」
美貌だけではなく、地位や財産も一瞬にして失われることがある。そして知性でさえも失くしてしまう可能性はあるのだ。ブライアン自身がそうだった。
「それに、きっとブライアンなら年を取っても素敵ですわ」
アイリーンは美しい笑顔を見せた。
エルシーも微笑み返した。
「エルシーも、そのドレスが良く似合っていますわね」
嬉しそうに微笑み掛けるアイリーンに、エルシーも笑顔になる。
「えぇ、お姉様が選んでくださったのですもの」
エルシーは来た時とは違う水色の華やかなドレスを着ていた。
アイリーンは「もっと貴女に似合う服装をしなくては」と、アイリーンが道中の町で選んだものだ。
ブライアンを見つめるアイリーンの顔に影が差す。
「ブライアンは昔、とても賢かったのですわ。わたくしよりも。わたくし、ブライアンに相応しい淑女になりたくて、勉強に力を入れるようになりましたの」
ブライアンが原因不明の熱病で、今のようになってからはアイリーンとの差は開くばかり。それでも彼はアイリーンを疎んじることはなかった。アイリーンが褒められることを喜び、彼女を素直に尊敬した。アイリーンはこっそり彼に勉強を教えていた。
「教えることには苦労しましたけど、わたくしにとっては幸せな時間でしたわ」
「知りませんでした」
「わたくしが黙っているように頼んでいたからですわ。……約束を守っていてくださったのね」
アイリーンは目に涙を浮かべつつも、幸せそうに微笑んだ。
エルシーはそんな義姉を微笑みながら見守っていた。
外から柔らかな春の日差しが差し込んでくる。
緑の野には野薔薇が咲き、華やかに旅路を彩っていた。
ふいにアイリーンが取り出した物は、レースの飾りであった。
エルシーは、それに見覚えがあった。
「お姉様、それは…………」
「お母様が最後にわたくしにくださったものよ」
エルシーが公爵家に来る時に、アイリーンのために編んだレースである。
義姉の冷たい態度と立派な服装に気遅れして渡せずにいたものだった。
「そんな昔のものを持っていてくださったのですか?今見ると恥ずかしいものですけど、大事にしてくださって嬉しいわ」
アイリーンは自分の母の事……公爵の前妻アーシュラのことを語った。
アーシュラには結婚する前、恋人がいたが、親の命令で彼と別れ、エインズワース公爵家へ嫁いできた。その時から、自分の殻に籠ってしまったように冷たい女性になったという。
「帝国へ行く前に、ダンヴァース侯爵にお会いしましたの。母の昔の恋人だった方ですわ」
アイリーンの結婚に祝福の言葉を述べながらも、気遣うように言われた言葉が心に残っている。
『本当に貴女は幸せなのだろうか?』
『今の貴女は結婚する前の彼女のような顔をしているよ』
アイリーンは嘆息して呟いた。
「わたくしは、母と同じ道を辿るところでしたのね」
貴族として生まれた自分が好き勝手に生きていいとは思わない。
だが、不幸な人間が他の人間まで不幸にすることは少なくないのである。
「身分の高い人ほど、不自由になるのは仕方のない事でもありますけど……。家庭の乱れが国の乱れに繋がることも多いのです。義務を果たすのなら、それを喜びだと思えなければ、人々を幸せにすることはできないと教わりましたわ」
エルシーは思い出す。聖女として教育を受けた時に、教わった歴史の数々。
人間には感情がある。時として感情を抑えることは必要だが、人間性を押しつぶすような生活は、人を不幸にし、他の人間にも害を及ぼす。
「ブライアンとの縁談は母の意思ですわ。父の方はもっと身分の高い方と結婚させたがっていましたのよ。母はわたくしの気持ちを知っていて、幸せな結婚ができるようにと願っていたのだと思いますわ」
アイリーンは微笑み、遠い記憶を探るように視線を宙に彷徨わせた。
「子供の頃、母親の手作りのものを身に着けている子が羨ましかったのですわ」
思い切って母に頼んでみても、煩わし気に「もっといいものを作らせますよ」と言われただけだった。
その約束すら、忘れられてしまったけど……。
「わたくしが望んだものは、そういうものではないのですもの」
大事な人が自分のために手間暇かけて、真心を込めて作ってくれたもの。
アイリーンは嬉しそうにレース飾りを手に取った。
「ですから、これを頂いた時には、とても嬉しかったのですわ」
そしてまた、アイリーンの顔に悲しみがよぎる。
「その時に、貴女の事を頼まれましたのに……。わたくしにしか頼めないと仰って」
ミュリエルはアイリーンがエルシーを嫌っておらず、本当は仲良くしたかったのだと気づいていた。
そして、アイリーンのことも案じていた。皇帝と結婚してもよいのかと気にしていた。
「そのお母様のことがあったのに、わたくしはずっと……」
エルシーは励ますように言った。
「もういいのです、こうしてお姉様と仲良くしていくことができるのですもの。お姉様が良い方だということが、私にはわかっていました」
「ありがとう、そしてごめんさない。これからはずっと姉妹として仲良くやっていけますわね?」
「はい!」
ブライアンが目を開け、大きく伸びをした。
「ふわぁ……。まだグリーンフィールドは先だね。久しぶりだな、アイリーンと一緒に馬車に乗るの。アイリーンはやっぱり女神のように綺麗だね」
ブライアンはそう言ってにこにこと満面の笑顔でアイリーンを見つめた。
「まぁ…………」
ほんのり頬を染めて彼を見つめるアイリーン。
自分の存在が忘れられたのを悟って、エルシーは馬車を止めた。
薄桃色の髪が風になびく。彼女は漆黒の馬にまたがる勇者へと歩いて行った。
「乗り心地はどう?」
「最高だよ!こいつは本当にいい馬だな!」
バートランドは輝くような笑顔で答えた。
つやつやした美しい毛並みの見事な黒馬は、アイリーンからの褒美であった。
軍馬としての訓練も積んでいるため、戦いにも連れていける。
「エルシーも乗るか?」
「乗りたいわ!」
弾むような声で答えた少女をの手を掴んで、バートランドは自分の前に乗せた。
風を受けて、馬はゆっくりと歩き出す。
楽し気に馬上の恋人達は笑いあって乗馬を楽しんだ。
「腕輪が壊れてしまったわ」
「君を守ってくれたのなら、嬉しいよ。またいい物を探さないとな」
「貴方のマントも新しく作りたいわ」
藍色の髪の貴公子の目にも彼らの楽しそうな様子が映った。
ふわふわした満開の花のような薄桃色の髪、輝くすみれ色の瞳、暖かな笑顔が瞼に焼き付く。
(もっと早く気づいていれば……)
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