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第七章 二人の聖女
エスコート
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王宮の一室にて、エルシーは大きな鏡に全身を映して見ていた。
空色の絹のドレスは、白いフリルとリボンがふんだんにあしらわれ、王女にも相応しいかと思われる豪華な仕様だった。
髪には見事な細工の銀の髪飾り。中央には、透き通るような青い色の宝石が輝いていた。
ふんわりした薄桃色の髪は念入りに手入れされ、全身を華やかに覆っていた。
「どうかしら?」
「とても良くお似合いですよ」
着替えを手伝う侍女たちも保証してくれた。
「いいですね!宮廷一の美女の座を狙えますよ!」
ビシッと親指を立ててルビィが保証する。
「ありがとう。ルビィも今日はとても素敵ね」
「ふふふ、もちろんです!」
ルビィも花飾りのついた白いドレスに金の髪飾りをつけて盛装していた。
エルシーが道中、以前から作っていた物に手を加えて豪華なドレスに仕上げたものだ。
王宮に着いたのは、今日の昼。夜には、聖女二人と『聖女の盾』の五人で晩餐会が開かれることになっていた。
衣装は既に用意されていた。夢見ていたような華やかな衣装にエルシーの心は踊ったが、ドレスが造られたいきさつについて聞くと、複雑な気持ちになった。
この空色のドレスは、アルフレッド王太子が、聖女ナナミ……エルシーとの婚約発表のために作らせたものだった。
ドレスと一緒に髪飾りや空色繻子の上靴、繊細な装飾の施された扇子も用意してあった。
「『思い出になり損ねた』ドレスなんだから、もらっておけばいいんじゃないですか~?」
複雑な表情のエルシーに、ルビィは気軽に言った。
確かに、この衣装には何の思い出も無いのである。手持ちの服には、王太子も同席するような場所に相応しい物は無かった。ドレスを貰ったことはありがたかった。
それに、夢に描いていたような見事なドレスを着られることは純粋に嬉しかった。
(バートさんは、今の私を見たらどう思うかしら?)
ドレスが作られた経緯を考えると、見てもらいたいような見られたくないような、複雑な気持ちだった。
約束の時間が近づいた時、来客の知らせがあった。
「セドリック様がお見えです」
「えっ?」
驚くエルシーの前に、セドリックが優雅な足取りで現れた。
晩餐会に相応しく、一分の隙の無い晴れやかな衣装を着こなしている。社交界の花形らしい麗しい貴公子ぶりだった。
侍女達が皆うっとりと伯爵を見詰めている。
かつての義姉の婚約者、ブライアンにも見劣りしないだろうとエルシーは思った。
「あぁ、これはまた美しい!青空の元に舞い降りた花の女神かな。どうか、この私にエスコートをお申し付けください」
宮廷一のプレイボーイらしい賛辞を述べ、宮廷中の淑女が見とれるような美しい動作でお辞儀をする伯爵。
エルシーも貴族の令嬢に相応しい優雅さで応じた。
「お迎えありがとうございます。喜んでご案内をお願いしますわ」
伯爵の腕を取って、廊下を歩く。
壁に取り付けられたランプの灯がほのかに辺りを照らしていた。
「こうして貴女と共に歩くことができて光栄です。最も、他の者ではこのように気を回すことはできないでしょうね」
セドリックはすました顔で言った。
エルシーは他の四人のことを思い浮かべた。
アルフレッドはきっと菜々美を迎えに行っただろう。だが……。
子供の頃から教会で修行生活のパーシヴァル。
平民出身で魔法の勉強に明け暮れてきたレジナルド。
幼少時からスラムで過酷な生存競争を生き延びてきたチェスター。
この三人では、普通の宮廷貴族のように淑女をエスコートしようという発想が浮かばないのも無理はない。
「気づいておられないでしょうが、実は貴女が聖女になられる前に一度、お姿をお見かけしたことがあるのです」
「まぁ、知りませんでしたわ」
「そうでしょう。残念ながら、お話しすることは叶いませんでしたからね。本当のことを言うと、私はその会に招待されていなかったのです」
セドリックは悪戯っぽく微笑んだ。
「どなたかお目当ての御令嬢でもいらっしゃったのかしら」
「えぇ、貴女を一目見ておきたかったのですよ。エインズワース公爵家に、アイリーン嬢に劣らぬ美しい令嬢がいると聞いておりましたからね」
エルシーは意外に思った。公爵家にいた頃は、好んで自分と知り合おうという者はほとんどいなかったのだから。
「まぁ、評判の悪女を見たいと思っていらっしゃったの?」
エルシーは澄んだすみれ色の瞳でからかうように伯爵を見上げて言う。
「えぇ、お蔭でますます貴女に興味が湧きました。そのような噂が立つからにはさぞ魅力的な方に違いないと思いましてね。男の性というものです」
悪びれもせず語る伯爵に少々呆れてエルシーはルビィにこっそり言った。
(物好きね)
(いいえ、好き者です)
ルビィの答えに笑いをかみ殺し、エルシーは前方の廊下を見た。
廊下の奥から、アルフレッドと腕を組んで、黄色いドレス姿の菜々美が現れた。
ぎこちない動作で、ドレスの裾に躓きそうになる彼女を、王太子が上手くリードしていた。
「あれで良かったのですか?」
セドリックが囁き声で尋ねる。
エルシーは何気ない口調で答える。
「えぇ、元々殿下がお好きな方はわたくしではありませんもの。こうなるのが自然ですわ」
「貴女のお気持ちはそれで納得できるのですか?」
「わたくしの意思で殿下を選んだのではないのです。他の方を選べば犠牲者が出る恐れがありましたから」
エルシーが聖女になった時、確実にハッピーエンドを見られるのは王太子のルートのみであった。
ハッピーエンドでなければ、誰かが犠牲になってしまう。選択の余地は無かった。
「強いられた役割を演じていただけと言うのですか?」
「えぇ。そんな状態で本物の恋ができるはずはありません」
「違いますね」
伯爵はきっぱりと否定した。
「人の社会は演技で成り立つものです。自分に合う役なら楽しくなり、合わないと苦痛になるでしょう。ですが、強いられた役が必ずしも不幸をもたらすわけではありません」
本当は逃げたいと思っても、親は子を守って危険に立ち向かうべき時がある。
本当は生徒と一緒になって遊びたいと思っても、教師なら彼らを制して勉強させなくてはならない。
そうした演技の積み重ねが彼らを本物の親や教師へと成長させていく。
「政略結婚でも、真実の愛情が芽生えることはあり得ます。恋もまた、演技から生まれることがあります。『戯れに恋はすまじ』ということですね。遊びのつもりでいれば、大火傷を負うことにもなります」
「まぁ、いつものお戯れは違うのですか?」
エルシーの問いにセドリックは微笑んで、諭すように言った。
「恋をしているつもりで人から人へと渡り歩く人はいますけどね。女遊びと恋は違います」
「セドリック様は本気で恋をしたことがありますか?」
「ありますよ、何度もね」
セドリックは平然と答えた。
「良かったこと。無いと仰ったら、セドリック様は大嘘吐きだと思ったことでしょう」
「えぇ、自分を誤魔化してはいけませんよ。感情がこじれるもとですからね」
珍しく真剣な伯爵の声音にエルシーははっとする。
「貴女の殿下へのお気持ちは本物でした。ですから、世界を救うこともできたのではないですか」
「…………」
エルシーは俯き、アルフレッドから別れを告げられた時のことを思い出した。
もはや王太子と新しい聖女を見ても心は痛まないが、思い悩んだ時期も確かにあったのだ。
「きっかけは『ゲーム』だったとしても、そこから真の恋が育っていくことはあります。『ゲームだと思って』とは、私もかつて難しい貴婦人を口説く時に使った手でもありますからね」
麗しい笑みを浮かべたセドリックにエルシーも小さく微笑んだ。
「ありがとうございます」
「そう、失恋しても人生は終わりません。すぐにでもまた次の恋が待っているかもしれませんよ。私との」
エルシーは明るい笑い声を上げた。
空色の絹のドレスは、白いフリルとリボンがふんだんにあしらわれ、王女にも相応しいかと思われる豪華な仕様だった。
髪には見事な細工の銀の髪飾り。中央には、透き通るような青い色の宝石が輝いていた。
ふんわりした薄桃色の髪は念入りに手入れされ、全身を華やかに覆っていた。
「どうかしら?」
「とても良くお似合いですよ」
着替えを手伝う侍女たちも保証してくれた。
「いいですね!宮廷一の美女の座を狙えますよ!」
ビシッと親指を立ててルビィが保証する。
「ありがとう。ルビィも今日はとても素敵ね」
「ふふふ、もちろんです!」
ルビィも花飾りのついた白いドレスに金の髪飾りをつけて盛装していた。
エルシーが道中、以前から作っていた物に手を加えて豪華なドレスに仕上げたものだ。
王宮に着いたのは、今日の昼。夜には、聖女二人と『聖女の盾』の五人で晩餐会が開かれることになっていた。
衣装は既に用意されていた。夢見ていたような華やかな衣装にエルシーの心は踊ったが、ドレスが造られたいきさつについて聞くと、複雑な気持ちになった。
この空色のドレスは、アルフレッド王太子が、聖女ナナミ……エルシーとの婚約発表のために作らせたものだった。
ドレスと一緒に髪飾りや空色繻子の上靴、繊細な装飾の施された扇子も用意してあった。
「『思い出になり損ねた』ドレスなんだから、もらっておけばいいんじゃないですか~?」
複雑な表情のエルシーに、ルビィは気軽に言った。
確かに、この衣装には何の思い出も無いのである。手持ちの服には、王太子も同席するような場所に相応しい物は無かった。ドレスを貰ったことはありがたかった。
それに、夢に描いていたような見事なドレスを着られることは純粋に嬉しかった。
(バートさんは、今の私を見たらどう思うかしら?)
ドレスが作られた経緯を考えると、見てもらいたいような見られたくないような、複雑な気持ちだった。
約束の時間が近づいた時、来客の知らせがあった。
「セドリック様がお見えです」
「えっ?」
驚くエルシーの前に、セドリックが優雅な足取りで現れた。
晩餐会に相応しく、一分の隙の無い晴れやかな衣装を着こなしている。社交界の花形らしい麗しい貴公子ぶりだった。
侍女達が皆うっとりと伯爵を見詰めている。
かつての義姉の婚約者、ブライアンにも見劣りしないだろうとエルシーは思った。
「あぁ、これはまた美しい!青空の元に舞い降りた花の女神かな。どうか、この私にエスコートをお申し付けください」
宮廷一のプレイボーイらしい賛辞を述べ、宮廷中の淑女が見とれるような美しい動作でお辞儀をする伯爵。
エルシーも貴族の令嬢に相応しい優雅さで応じた。
「お迎えありがとうございます。喜んでご案内をお願いしますわ」
伯爵の腕を取って、廊下を歩く。
壁に取り付けられたランプの灯がほのかに辺りを照らしていた。
「こうして貴女と共に歩くことができて光栄です。最も、他の者ではこのように気を回すことはできないでしょうね」
セドリックはすました顔で言った。
エルシーは他の四人のことを思い浮かべた。
アルフレッドはきっと菜々美を迎えに行っただろう。だが……。
子供の頃から教会で修行生活のパーシヴァル。
平民出身で魔法の勉強に明け暮れてきたレジナルド。
幼少時からスラムで過酷な生存競争を生き延びてきたチェスター。
この三人では、普通の宮廷貴族のように淑女をエスコートしようという発想が浮かばないのも無理はない。
「気づいておられないでしょうが、実は貴女が聖女になられる前に一度、お姿をお見かけしたことがあるのです」
「まぁ、知りませんでしたわ」
「そうでしょう。残念ながら、お話しすることは叶いませんでしたからね。本当のことを言うと、私はその会に招待されていなかったのです」
セドリックは悪戯っぽく微笑んだ。
「どなたかお目当ての御令嬢でもいらっしゃったのかしら」
「えぇ、貴女を一目見ておきたかったのですよ。エインズワース公爵家に、アイリーン嬢に劣らぬ美しい令嬢がいると聞いておりましたからね」
エルシーは意外に思った。公爵家にいた頃は、好んで自分と知り合おうという者はほとんどいなかったのだから。
「まぁ、評判の悪女を見たいと思っていらっしゃったの?」
エルシーは澄んだすみれ色の瞳でからかうように伯爵を見上げて言う。
「えぇ、お蔭でますます貴女に興味が湧きました。そのような噂が立つからにはさぞ魅力的な方に違いないと思いましてね。男の性というものです」
悪びれもせず語る伯爵に少々呆れてエルシーはルビィにこっそり言った。
(物好きね)
(いいえ、好き者です)
ルビィの答えに笑いをかみ殺し、エルシーは前方の廊下を見た。
廊下の奥から、アルフレッドと腕を組んで、黄色いドレス姿の菜々美が現れた。
ぎこちない動作で、ドレスの裾に躓きそうになる彼女を、王太子が上手くリードしていた。
「あれで良かったのですか?」
セドリックが囁き声で尋ねる。
エルシーは何気ない口調で答える。
「えぇ、元々殿下がお好きな方はわたくしではありませんもの。こうなるのが自然ですわ」
「貴女のお気持ちはそれで納得できるのですか?」
「わたくしの意思で殿下を選んだのではないのです。他の方を選べば犠牲者が出る恐れがありましたから」
エルシーが聖女になった時、確実にハッピーエンドを見られるのは王太子のルートのみであった。
ハッピーエンドでなければ、誰かが犠牲になってしまう。選択の余地は無かった。
「強いられた役割を演じていただけと言うのですか?」
「えぇ。そんな状態で本物の恋ができるはずはありません」
「違いますね」
伯爵はきっぱりと否定した。
「人の社会は演技で成り立つものです。自分に合う役なら楽しくなり、合わないと苦痛になるでしょう。ですが、強いられた役が必ずしも不幸をもたらすわけではありません」
本当は逃げたいと思っても、親は子を守って危険に立ち向かうべき時がある。
本当は生徒と一緒になって遊びたいと思っても、教師なら彼らを制して勉強させなくてはならない。
そうした演技の積み重ねが彼らを本物の親や教師へと成長させていく。
「政略結婚でも、真実の愛情が芽生えることはあり得ます。恋もまた、演技から生まれることがあります。『戯れに恋はすまじ』ということですね。遊びのつもりでいれば、大火傷を負うことにもなります」
「まぁ、いつものお戯れは違うのですか?」
エルシーの問いにセドリックは微笑んで、諭すように言った。
「恋をしているつもりで人から人へと渡り歩く人はいますけどね。女遊びと恋は違います」
「セドリック様は本気で恋をしたことがありますか?」
「ありますよ、何度もね」
セドリックは平然と答えた。
「良かったこと。無いと仰ったら、セドリック様は大嘘吐きだと思ったことでしょう」
「えぇ、自分を誤魔化してはいけませんよ。感情がこじれるもとですからね」
珍しく真剣な伯爵の声音にエルシーははっとする。
「貴女の殿下へのお気持ちは本物でした。ですから、世界を救うこともできたのではないですか」
「…………」
エルシーは俯き、アルフレッドから別れを告げられた時のことを思い出した。
もはや王太子と新しい聖女を見ても心は痛まないが、思い悩んだ時期も確かにあったのだ。
「きっかけは『ゲーム』だったとしても、そこから真の恋が育っていくことはあります。『ゲームだと思って』とは、私もかつて難しい貴婦人を口説く時に使った手でもありますからね」
麗しい笑みを浮かべたセドリックにエルシーも小さく微笑んだ。
「ありがとうございます」
「そう、失恋しても人生は終わりません。すぐにでもまた次の恋が待っているかもしれませんよ。私との」
エルシーは明るい笑い声を上げた。
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