45 / 53
Ep.3 ファーストコンタクト(10)
しおりを挟む
◆◆◆
そしてジョシュはついに目覚めた。
「!」
最初に目に映ったものは、あの時一瞬見えた悪夢とまったく同じものであった。
改めて見ると、その化け物の顔はハチに少し似ていた。
しかし頭部が異様に大きい。膨らんでいる。
中に脳ミソがたっぷりと詰まっている、そう思える大きさ。
そして口も違っていた。
ハチのような牙があるが、アゴなどは全然違う。
人間に近い。のどや首の部分もだ。人間と同等の音声を発する機能があるように見えた。
だが、今のジョシュにはそんな特徴に気を取られる余裕は無かった。
化け物の口から伸びている舌のようなものを咥えさせられている。
いや、咥えているどころでは無い! 鼻から奥へ、頭の中にまで達している感覚がある!
その感覚はおぞましいの一言だった。
だからジョシュは舌を両手で掴み、引き抜こうとした。
すると、頭の中に声が響いた。
“無理矢理抜いてはダメ! 脳が傷ついてしまうわ!”
それは夢の中の彼女の声だった。
だが、ジョシュはその声を無視した。
舌のような何かを掴む両手に力を込める。
そして、ジョシュは感じた。
その舌が頭の中に根を張るように細く大量に枝分かれしているのを。
無理矢理引っ張ると、脳ミソごと引きずり出されてしまう、そんな恐怖の感覚を。
だが、ジョシュは一心不乱に引っ張り続けた。
ぶちぶち、何かが切れる感触が頭から鼻に激痛と共に伝わる。
そのあまりの痛さにジョシュはもがいた。
その動きがあまりに激しかったゆえに、彼女は両腕からジョシュを落としてしまった。
その勢いによって、二人の深い結合は完全に切り離された。
あふれ出てくる鼻血を片手で押さえながら、ジョシュが顔を上げる。
そしてジョシュは女王の全貌を見た。
大型獣のような大きさ。
その胴体も、自分を掴んでいた両腕もやはりハチに似ていた。
だが、下半身はまったく別物だった。
まるでムカデ。
太く、長い。
中に大量の卵が詰まっていることが予想できる太さ。
その風貌はジョシュにとって恐怖でしか無かった。
そしてジョシュはついに目覚めた。
「!」
最初に目に映ったものは、あの時一瞬見えた悪夢とまったく同じものであった。
改めて見ると、その化け物の顔はハチに少し似ていた。
しかし頭部が異様に大きい。膨らんでいる。
中に脳ミソがたっぷりと詰まっている、そう思える大きさ。
そして口も違っていた。
ハチのような牙があるが、アゴなどは全然違う。
人間に近い。のどや首の部分もだ。人間と同等の音声を発する機能があるように見えた。
だが、今のジョシュにはそんな特徴に気を取られる余裕は無かった。
化け物の口から伸びている舌のようなものを咥えさせられている。
いや、咥えているどころでは無い! 鼻から奥へ、頭の中にまで達している感覚がある!
その感覚はおぞましいの一言だった。
だからジョシュは舌を両手で掴み、引き抜こうとした。
すると、頭の中に声が響いた。
“無理矢理抜いてはダメ! 脳が傷ついてしまうわ!”
それは夢の中の彼女の声だった。
だが、ジョシュはその声を無視した。
舌のような何かを掴む両手に力を込める。
そして、ジョシュは感じた。
その舌が頭の中に根を張るように細く大量に枝分かれしているのを。
無理矢理引っ張ると、脳ミソごと引きずり出されてしまう、そんな恐怖の感覚を。
だが、ジョシュは一心不乱に引っ張り続けた。
ぶちぶち、何かが切れる感触が頭から鼻に激痛と共に伝わる。
そのあまりの痛さにジョシュはもがいた。
その動きがあまりに激しかったゆえに、彼女は両腕からジョシュを落としてしまった。
その勢いによって、二人の深い結合は完全に切り離された。
あふれ出てくる鼻血を片手で押さえながら、ジョシュが顔を上げる。
そしてジョシュは女王の全貌を見た。
大型獣のような大きさ。
その胴体も、自分を掴んでいた両腕もやはりハチに似ていた。
だが、下半身はまったく別物だった。
まるでムカデ。
太く、長い。
中に大量の卵が詰まっていることが予想できる太さ。
その風貌はジョシュにとって恐怖でしか無かった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
呪詛人形
斉木 京
ホラー
大学生のユウコは意中のタイチに近づくため、親友のミナに仲を取り持つように頼んだ。
だが皮肉にも、その事でタイチとミナは付き合う事になってしまう。
逆恨みしたユウコはインターネットのあるサイトで、贈った相手を確実に破滅させるという人形を偶然見つける。
ユウコは人形を購入し、ミナに送り付けるが・・・
敗者の街 Ⅱ ― Open the present road ―
譚月遊生季
ホラー
※この作品は「敗者の街 ― Requiem to the past ―」の続編になります。
第一部はこちら。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/33242583/99233521
イギリスの記者オリーヴ・サンダースは、友人ロデリック・アンダーソンの著書「敗者の街」を読み、強い関心を示していた。
死後の世界とも呼べる「敗者の街」……そこに行けば、死別した恋人に会えるかもしれない。その欲求に応えるかのように、閉ざされていた扉は開かれる。だが、「敗者の街」に辿り着いた途端、オリーヴの亡き恋人に関する記憶はごっそりと抜け落ちてしまった。
新たに迷い込んだ生者や、外に出ようと目論む死者。あらゆる思惑が再び絡み合い、交錯する。
オリーヴは脱出を目指しながらも、渦巻く謀略に巻き込まれていく……
──これは、進むべき「現在」を切り拓く物語。
《注意書き》
※記号の後の全角空白は私が個人的にWeb媒体では苦手に感じるので、半角にしております。
※過激な描写あり。特に心がしんどい時は読む際注意してください。
※現実世界のあらゆる物事とは一切関係がありません。ちなみに、迂闊に真似をしたら呪われる可能性があります。
※この作品には暴力的・差別的な表現も含まれますが、差別を助長・肯定するような意図は一切ございません。場合によっては復讐されるような行為だと念頭に置いて、言動にはどうか気をつけて……。
※特殊性癖も一般的でない性的嗜好も盛りだくさんです。キャラクターそれぞれの生き方、それぞれの愛の形を尊重しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる