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Ep.1 調査隊の船から回収した記録(15)

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   ◆◆◆

「隊長!」

 二人の悲鳴をマイク越しに聞いていた通信士は直後に回線を切り替え、叫んだ。

「行ってはダメです! 部隊は全滅です!」

 だが応答は無い。

「隊長?!」

 どうして返事をしない? そんな苛立ちが湧き上がりかけた直後、通信士は気付き、そして思い出した。
 それを確かめるために船の状態を確認する。
 直後、通信士の嫌な予感は当たった。当たってしまった。
 小型艇がまだ船内に残っているのだ。
 隊長が行くと言ってから何分経った?
 小型艇の発進は簡単だ。自動でやってくれる。スキルなんて必要無い。
 なのに、隊長はいまどこで、そして何をしている?!

「!」

 さらに、もう一つ気付いた通信士は再び端末を操作した。

「!?」

 そして通信士の嫌な予感は再び当たった。
 端末には医務室の様子を示したカメラ映像が表示されていた。
 だが、そこで寝ているべきはずの生存者の姿は無かった。

「っ!」

 その直後、突如響いた自動ドアの開く音に、通信士は飛び上がって振り返った。
 そこには、あの生存者が立っていた。
 反射的に座席から離れ、後ずさる。
 相手から目を離さぬまま、一歩、二歩、と足を後ろに進ませる。
 そして三歩目になった瞬間、

「ひっ!」

 生存者は突然走り出し、通信士に体当たりをしかけてきた。
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