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第七話 熱く眩しい夏(7)

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 その声は本当に俺の心にまで透き通った。
 だから俺は素直に答えた。

「……進学」
「……もしかして、わたしと同じ大学?」
「……うん」
「やっぱりそうなんだ……」

 彼女はそう言ったあと、まるで何かから身を守るように両膝を立て、両手で抱えた。
 彼女はその体育座りのような姿勢のまま、再び口を開いた。

「どうなの? いけそう?」

 俺は正直に答えた。

「今の成績のままだとギリギリ、いや、ちょっと厳しいかも」
「そっか……」

 俺のその答えに、彼女は何かを考え込むように、顔を両膝の上に乗せるようにうつむいた。

「……」

 そしてしばらくしてから、

「あのね……」

 彼女はゆっくりと再び口を開けた。

「このままだとわたし達、勢いで映画のあのシーンみたいなことをいつかしちゃう、そんな気がするんだ」

 彼女は「でも、」と、言葉を続けた。

「わたし自身、エイジくんとならそうなってもいいかも、なんて思っちゃってる。だから、最近自分の行動に歯止めがきかなくなってる。だからいまこんな恥ずかしいことしちゃってる」

 その言葉を聞いても、俺の心は彼女の言葉のように透き通ったままだった。
 彼女はいつでも俺を受け入れてくれるだろう。だが、まだ早い。彼女の言葉はまだ終わっていない。耳を傾けなければならない。そう思った。
 そして思ったとおり、彼女は言葉を続けた。

「でも同時に思うんだ。そうなった後、わたし達はどうなるのかなって」

 それは俺も考えたことがあった。
 だから彼女と同じ大学に挑む道を選んだ。
 だが、彼女はもっと深く考えていた。
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