らぶこめ! 太陽のヒナタと影のエイジ

稲田シンタロウ(SAN値ぜろ!)

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第七話 熱く眩しい夏(6)

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 が、直後、

「エイジくん、ちょっと足のばして」

 突如響いた彼女の声に、俺は閉じたばかりの目を開くことになった。
 見ると、彼女は浴槽に足をかけて入ろうとしていた。
 だから俺は当然の疑問を抱いた。
 え? 足を伸ばしたら逆に入りづらくなるんじゃないか? と。
 しかし俺はそう思いつつも、彼女の言葉に従って足を伸ばした。
 すると、

「よいしょ」

 なんと、彼女は俺の体を座椅子にするかのように、俺の股の上に腰をおろして背中を胸に預けてきた。

(~~っ!?)

 当然、俺の理性は吹っ飛びかけた。
 あくまでも、かけた、だ。なんとか踏みとどまった。
 しかしそれも時間の問題だ。

「……っ」

 俺の心の堤防は決壊寸前だった。
 もう少しくらい踏み込んでもいいのではないか、そんな誘惑の言葉が心の中に響き始めた。
 彼女をうしろから優しく抱きしめたい、その欲望をおさえきれなくなりつつあった。
 しかしもしそれをやってしまったらどうなる? その先まで勢いで進んでしまうのではないか? そんな思いが最後の一線となって食い止められていた。
 そしてその最後の一線すら破られようとしていた。
 が、その時、

「エイジくんは進路どうするつもりなの?」

 彼女の声が透き通るように耳に響いた。
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