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第七話 熱く眩しい夏(4)

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   ◆◆◆

 なんと、彼女は俺のアホな提案を受け入れてくれた。

「準備できたよ~」

 声に従って俺が風呂場に入ると、彼女はもう既にお湯が張られた浴槽につかっていた。
 いや、湯気が立ってないな。俺がそのことに気付いた直後、

「えい☆」

 彼女はその湯気の立っていない水を両手ですくって、こちらにバシャリとかけてきた。

「ぅわぁっ!」

 そのひんやりとした感触に、俺は少し情けない声を出してしまった。
 やっぱりお湯ではなかった。
 だが冷たいというほどでも無い。水に近いぬるま湯という感じだ。
 プール気分を演出するためにそうしてくれたのだろう。

「あはは、なぁにその声」

 そして彼女は俺の反応が気に入ったのか、

「もういっかい☆」

 またしても水をぶっかけてきた。

「ひゃう!」

 二回目だからもう慣れたが、俺は彼女が望んでいるであろうリアクションを取った。
 そして俺はやり返したいと思った。
 だが、体を流さずに風呂に飛び込むのは抵抗があった。
 そして同時にイイコトも思いついた。
 だから俺はまずはシャワーで体を軽く流した後、

「えい」

 水を出しっぱなしのまま、シャワーヘッドを彼女のほうに向けた。

「きゃあ?! ちょっと!?」

 しかしその反撃は彼女にとっては理不尽だったのか、

「シャワーを使うのは反則だよ! レッドカード!」

 彼女は突然なぞのルールを持ち出してきた。
 そして俺がそのルールを受け入れてシャワーを止めると、彼女は浴槽から立ち上がった。
 なにか反撃でもされるのかな? 俺はそう身構えたが、直後に彼女の口から出た言葉はまったく正反対のものであった。

「背中流してあげるよ」
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