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第七話 熱く眩しい夏(1)

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   ◆◆◆

  熱く眩しい夏

   ◆◆◆

 そして高校最後の夏休みとなった。
 俺達は受験生だ。ゆえに当然、勉強に割かれる時間が大幅に増える。
 だが、ずっと勉強はしていられない。息が詰まる。
 ゆえに息抜きが必要になる。これも当然のことだ。
 そして俺達は恋人同士だ。
 だから俺は迷うことなく、勇気も出さずにずっと言いたかったアレを言うことが出来た。

「プールにでも行かないか?」
「……う~ん」

 が、彼女は即答しなかった。
 彼女は続けて理由を述べた。

「明日とかすぐに、というのはちょっと無理かな。水着を買いに行かなくちゃいけないから。いま持ってるのはもう古いし」

 その言葉を聞いて俺も思い出した。俺も水着を新調しなくてはならないことを。
 だから俺もそうだったと言うと、彼女は提案してくれた。

「じゃあ、一緒に買いに行こうよ」

   ◆◆◆

 そして翌日、俺達は水着を買って戻ってきた。
 彼女がどんな水着を買ったのか、俺は知らない。
 試着室の前で感想を聞かせるなどという、マンガによくありそうな展開にはならなかった。
 やはり当日のお楽しみということだろうか。
 俺はそう思っていたのだが、

「ねえ、エイジくん」

 彼女はとんでもないことを言い出したのだ。

「せっかくだし、見せ合いっこしようよ」
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