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第六話 甘く初々しい、そんな青色の春(4)
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思わず聞き返してしまった。
聞き返す必要など無かった。
これはただの時間稼ぎ。
あわよくば、彼女が質問を取り下げてくれることを期待したもの。
だが、
「ちゃんと答えて。今回はごまかすのはナシだよ」
彼女は逃げ道を残してはくれなかった。
だが、さすがにこのタイミングでこの質問は、そう思った俺はキブアップしようとした。
「ちょっと待ってくれ……さすがに恥ずかしすぎるんだが……」
のだが、やっぱり彼女は許してくれなかった。
「だめ」
「だめって言われても……本当に恥ずかしいんだが」
「じゃあ、これは罰ゲームだということで、どうかな?」
「え?」
何の? と聞き返すよりも早く彼女は答えた。
「この前、わたしにゲームで負けたでしょ? これはその罰ゲーム」
「いや、それもちょっと……」
そういう王様ルールを日をまたいで後出しするのって、かなりの反則だと思うんだが、
「……どうしてもだめ?」
その少し赤くなった顔でそんなことを言うのも反則だ。
だめかって言われたら、
「……だめじゃない」
としか答えられない。
それを聞いた彼女は、
「じゃあ……」
と言いながら近づいてきた。
頬を赤らめた彼女のその熱が感じられそうなほどに近い。
そして彼女はその距離で口を開いた。
「教えて。エイジくんは誰としたい?」
聞き返す必要など無かった。
これはただの時間稼ぎ。
あわよくば、彼女が質問を取り下げてくれることを期待したもの。
だが、
「ちゃんと答えて。今回はごまかすのはナシだよ」
彼女は逃げ道を残してはくれなかった。
だが、さすがにこのタイミングでこの質問は、そう思った俺はキブアップしようとした。
「ちょっと待ってくれ……さすがに恥ずかしすぎるんだが……」
のだが、やっぱり彼女は許してくれなかった。
「だめ」
「だめって言われても……本当に恥ずかしいんだが」
「じゃあ、これは罰ゲームだということで、どうかな?」
「え?」
何の? と聞き返すよりも早く彼女は答えた。
「この前、わたしにゲームで負けたでしょ? これはその罰ゲーム」
「いや、それもちょっと……」
そういう王様ルールを日をまたいで後出しするのって、かなりの反則だと思うんだが、
「……どうしてもだめ?」
その少し赤くなった顔でそんなことを言うのも反則だ。
だめかって言われたら、
「……だめじゃない」
としか答えられない。
それを聞いた彼女は、
「じゃあ……」
と言いながら近づいてきた。
頬を赤らめた彼女のその熱が感じられそうなほどに近い。
そして彼女はその距離で口を開いた。
「教えて。エイジくんは誰としたい?」
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