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第六話 甘く初々しい、そんな青色の春(3)
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そして俺のほうにも変化が起きた。
俺はほとんどの時間を彼女の家で過ごすようになった。
勉強も遊びもすべて彼女の家でやるようになっていた。
そんな俺に彼女は手料理まで出してくれた。
しかし、さすがに食べさせてもらってばかりでは彼女の負担が大きい。だから俺は数日に一度は外食をおごるようにしていた。
こんな生活をしていれば当然のように二人の関係は深まる。
だからある日、俺達は互いを名前で呼び合うことにした。言い出したのは俺だ。
それが原因だったのかどうかは分からないが、事件は次の日に起きた。
「まるで新婚夫婦みたいで楽しいわね」
突如、彼女の部屋に響いたそのセリフは俺の意識を硬直させた。
彼女が言ったものでは無い。それは映画の登場人物が言ったセリフであった。
そしてそのセリフを言った人物の状況は、まさに俺達の関係とそっくりであった。
男が女の家に入り浸っている、まさに同じだ。
そして映画の男は先の女性のセリフに対し、とんでもない言葉を返した。
「じゃあ、夫婦らしいことをしよう」
おいおいおいおい、まさか、と思ったらそのまさかだった。
「「……」」
始まったそのシーンに、俺もヒナタさんも無言になった。
しばらくして、そのシーンはようやく終わったが、やはり部屋の空気は微妙なものになっていた。
その微妙な沈黙を破ったのは彼女だった。
「……ねえ」
この空気を換えてくれることを俺は願っていたが、
「もう一度聞きたいんだけど」
彼女が考えていたことは、俺が期待していたものとはまったく逆のものであった。
「エイジくんは、誰とならああいうことが出来る?」
「え?」
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