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第六話 甘く初々しい、そんな青色の春(2)

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   ◆◆◆

 当然、恋人同士になったからといって金銭事情が改善されたわけでは無いので、彼女の家でだらだらするだけのいわゆる「おうちデート」もこれまで通りの頻度で発生した。
 しかしやはり遊びの内容は変わった。
 具体的に言うと、一緒にゲームをするようになった。
 そう、あの時見つけた対人格闘ゲームだ。
 それはシリーズになっている有名作品で、旧作は俺も持っているものだった。
 彼女が持っていたのは最新作だったが、登場するキャラクターは大体同じだったため操作に問題は無かった。
 のだが、

(つえぇ……)

 俺は一度も勝てなかった。
 彼女はかなりそのゲームをやりこんでいた。

 俺はちょっとだけ悔しかったので同じゲームを買って帰った。
 断じて言っておくが、衝動的な行動では無い。今後も同じゲームで遊ぶ機会はあるだろうから、そのためだ。彼女も相手がただのサンドバックでは退屈だろう。そういう思いやりから生まれた行動なのだ。嘘じゃない。悔しかったのは本当にちょっとだけだ。
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