らぶこめ！ 太陽のヒナタと影のエイジ

第四話 恋と衝撃の秋(11)

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　あの時は感覚が麻痺してたんだと思う。
　ちょっと恥ずかしい服を長時間着ていたせいだと思う。
　文化祭を二人で回るのは一緒に勉強するのとは違う。休憩という口実で一緒に喫茶店に入るのとは違う。
　同じクラス委員だからという言い訳は通じない。誤解されてもおかしくない。
　もしも、これが原因で友達からわたし達の関係について聞かれたら、どう答えればいいんだろう？　噂されたりしたらどうすればいいんだろう？　そんな意識はあの時には無かった。
　だからいま思い返してもちょっと変な気持ちになる。楽しかったけどね。

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　彼女と回る二週目に退屈さは無かった。
　ドキドキした。
　本当に胸が高鳴った。単純に楽しいだけじゃ無い。
　彼女のことを普段よりも強く意識した。
　学校の中だからだ。多くの知人の目に晒されているからだ。休憩という口実で一緒に喫茶店に入るのとは違う。
　同じクラス委員だからという言い訳は通じない。誤解されてもおかしくない。
　だから、彼女が誘ってくれたことが嬉しかった。
　タコ焼きやクレープなどを次々と買い歩き、そして食い歩く彼女の姿は新鮮だった。
　意外と大食いなんだなと思うと同時に、彼女の新しい一面が知れたことが嬉しかった。
　そんな楽しい時間はあっという間に過ぎていった。

　そして気付けば文化祭は終わりの時間を迎えていた。
　あとは片付けして終わり、そのはずだった。
　この後、とんでもないハプニングが待っていることなど、その時の俺は思いもしていなかったのであった。