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第四話 恋と衝撃の秋(4)

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 意外なことに、板宮は快く頼まれてくれた。
 だが、直後に重要なことを聞かれた。
 材料に何を使うかだ。
 板宮いわく、ガチでやるのであれば、ダンボールや厚紙などは論外だという。
 じゃあ何を使えばいい? と、俺が聞き返すと、板宮は少し考えてから答えた。
 オススメは木材だと美術部員は答えた。
 なぜ? 俺が聞き返すと、返ってきた答えは至極理屈の通ったものであった。
 木材は比較的簡単に入手出来るものであり、かつ自分達の工作技術が及ぶもので、さらにお手軽に高級感を出せるから、というのが理由であった。
 その答えに納得した俺は、木材を使うという前提で話を進めることにした。
 板宮はすぐに仕事に取り掛かってくれた。
 図面を描くために教室のドアや窓の寸法を測る。
 当然、この作業は俺も手伝った。
 そして板宮は完成した図面をカバンの中に入れた。
 その図面をもとに、完成のイメージ図を家で描くという。
 こればかりは俺には手伝えない。待つしかなかった。
 けっこうな待ち時間になるかもしれない、俺はそう思った。
 が、板宮はなんと次の日にそのイメージ図を仕上げて俺のところに持ってきてくれた。
 絵に書き起こされたそれは、俺の想像を超える出来であった。俺の想像力自体は陳腐であるが。
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