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第四話 恋と衝撃の秋(2)
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彼女が一緒に遊ぶ口実を探したり作ったりしていることには気付いていた。
だから嬉しかった。
少なくとも、一緒に遊びたいとは思ってくれているのだから。
それ以上は今は望むまいと、俺は思った。
……すまない。嘘をついた。本当は勇気が無かっただけだ。
それでも不満も焦りも無かった。この時は。
部活と勉強、そして彼女との休日、すべてが充実していた。
学校が楽しいと感じられたのは初めてのことだった。クラス委員の仕事もまったく苦じゃ無くなっていた。
日々はそんな充足感と共に過ぎ去っていった。
そして次の転機の前触れは、隠れることなく堂々と俺達の前に現れた。
◆◆◆
その日、クラス委員会であることを決めるために多数決を取ることになった。
彼女が黒板の前で票の内容を読み上げ、俺が黒板に「正」の字を使って票数をカウントする。
「開票結果は次のようになりました」
結果は数えるまでも無かった。
だから彼女は即座に結論を述べた。
「圧倒的多数により、文化祭の出し物は喫茶店に決定しました」
これがその前触れだった。
いや、前振りと言ったほうが正しいかもしれない。
しかし当時の俺はそんなことにはまったく気付いていないのであった。
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