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第四話 恋と衝撃の秋(1)

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   ◆◆◆

  恋と衝撃の秋

   ◆◆◆

 そして再び学校が始まった。
 前と変わらぬ授業内容。
 以前と同じ日常が始まる。そう思っていた。
 だが、違った。

「ねえ、今度の日曜日、このお店に食べに行ってみない?」

 彼女のほうから話しかけてくることが多くなったのだ。
 そしてその内容の多くは食事へのお誘いだった。
 理由はすぐに分かった。
 地元の雑誌でグルメ特集が組まれたからだ。
 このお誘いに俺は当然、すべてOKを返した。

   ◆◆◆

 グルメ特集なんてただの口実だった。
 彼と一緒に遊びたい、それだけだった。
 それは本心。でも、同時に迷いのようなものもあった。
 結局、わたしは彼のことをどう思っているのか、彼とどうなりたいのか、ということ。
 もう彼と一緒にいてもイヤじゃなくなっていた。異性が近くにいるのに落ち着く。話していると楽しい。それは間違いの無い事実であり、本心。
 だから今の彼と私の関係は仲の良い友達。それでいいと思うし、いまはそれ以上は望んでない。
 そう、いまは。
 じゃあ、未来は?
 いつまでもこのまま、なんてことがありえるのだろうか?
 わたし達の友情はずっとそのままの形を保てるだろうか?
 とてもそうは思えない。
 自意識過剰かもしれないが、彼はわたしに好意を抱いているような気がする。
 彼もわたしと同じ気持ちなのだろうか? わからない。
 彼がいま以上の関係を求めてきた時、わたしはその気持ちに応えられるのだろうか?
 わからない。
 この時のわたしにはそれ以上の結論は出せなかった。
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