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第一話 太陽に照らされて目覚めるエイジ(4)
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そして俺と同じ考えのやつは他にもいた。
俺と同時に席を立った奴が数人いた。
だがその時点で勝負は決まっていた。俺が一番近いからだ。
そして俺は一番にクジ箱の中に手を突っ込み、ほぼ約束されている勝利をその手に掴んだ。
そのはずだった。
「おお、すごいな。当たりだ。おめでとう」
はあ?
俺が引いたクジにはしっかりと、赤い線が引かれていた。
「一発とは、やるな」
「あいつ持ってるな」
「ナイスゥ!」
周りから好き勝手な言葉が飛んでくる。
「じゃあ、黒板に自分の名前を書いて」
そして俺は先生に言われるがまま、死刑執行台に登る気持ちで黒板の前に立ち、名前を書いた。
『影野 鋭次』
かげのえいじ、それが俺の名前。
こんな形で目立ちたくは無かった。クラス委員なんてめんどくさいの一言だ。
が、
「せっかくだから自己紹介して。ついでに何か一言」
先生はそんな俺に追い討ちをかけてきた。
はあ? と思った。
自己紹介はまだいい。でも一言ってなんだ。クジで決められたのに、そんなものあるわけないだろ!
運命の女神はクソッタレだ、とでも言ってやろうか?
しかし俺にそんな勇気は無かった。
「影野エイジです。選ばれた以上は頑張りますので、皆様よろしくお願いします」
何をよろしくしてもらうのかまったく分からなかったが、とりあえず俺は無難そうな言葉を選んでおいた。
そしてそれは正解だったようだ。
「……」
からかわれることは無かった。沈黙が逆に心地良かった。
俺と同時に席を立った奴が数人いた。
だがその時点で勝負は決まっていた。俺が一番近いからだ。
そして俺は一番にクジ箱の中に手を突っ込み、ほぼ約束されている勝利をその手に掴んだ。
そのはずだった。
「おお、すごいな。当たりだ。おめでとう」
はあ?
俺が引いたクジにはしっかりと、赤い線が引かれていた。
「一発とは、やるな」
「あいつ持ってるな」
「ナイスゥ!」
周りから好き勝手な言葉が飛んでくる。
「じゃあ、黒板に自分の名前を書いて」
そして俺は先生に言われるがまま、死刑執行台に登る気持ちで黒板の前に立ち、名前を書いた。
『影野 鋭次』
かげのえいじ、それが俺の名前。
こんな形で目立ちたくは無かった。クラス委員なんてめんどくさいの一言だ。
が、
「せっかくだから自己紹介して。ついでに何か一言」
先生はそんな俺に追い討ちをかけてきた。
はあ? と思った。
自己紹介はまだいい。でも一言ってなんだ。クジで決められたのに、そんなものあるわけないだろ!
運命の女神はクソッタレだ、とでも言ってやろうか?
しかし俺にそんな勇気は無かった。
「影野エイジです。選ばれた以上は頑張りますので、皆様よろしくお願いします」
何をよろしくしてもらうのかまったく分からなかったが、とりあえず俺は無難そうな言葉を選んでおいた。
そしてそれは正解だったようだ。
「……」
からかわれることは無かった。沈黙が逆に心地良かった。
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