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第六章 アランの力は遂に一つの頂点に
第四十六話 暴風が如く(22)
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シャロンは即座にそれを実行に移した。
ディーノの攻撃を剣で受ける。
これまでとは違う、倒れないように踏みとどまることを重視した受け方。
代償として、剣が根元で折れ飛ぶ。
だが、対価としてディーノが切り返すよりも速く、踏み込むことが出来た。
狙いは下半身。ゆえの低姿勢。
だが当然のように丸盾が、黒い壁が立ち塞がる。
その瞬間、シャロンの心に再び声が響いた。
柔軟に、水のように、と。
同時に映像も浮かんだ。
それはやはり、先の戦いのリックの映像だった。
そして気付けばシャロンは同じように動いていた。映像の中のリックを自分に重ねるように。
「!」
その動きに、闇の中に浮かび上がっている白い両目は見開いた。
シャロンが盾を足場にして跳躍したからだ。
まるで頭の上に乗ろうとするかのように。
そしてシャロンの攻撃意識が首に向けられたのを感じ取ったディーノは、盾を上にかざすように持ち上げた。
ディーノの頭蓋が盾の後ろに隠れる。
前からでは一分の隙も見当たらない。
だからシャロンは目標を変え、盾を蹴ってそちらへ跳んだ。
「なっ!?」
直後、槍斧を握る右腕にかかった重圧にディーノは思わず声を漏らした。
シャロンが腕に抱きついたのだ。
そしてそれは直前まで攻撃動作では無かった。攻撃意識が無かった。
シャロンも抱きついてから気付いたのだ。この体勢から関節技を仕掛けることが出来る事を。
相手の肘を自分の胸に押し当てるようにしがみつき、両足で相手の上腕部を挟んで固定する。
そして両腕を相手の手首に絡ませ、そのまま背をそらせば、相手の肘を逆に曲げることが出来る。
それはまさしく、我々の世界で言うところの「腕ひしぎ十字固め」であった。
「腕ひしぎ十字固め」という技をシャロンは知っていたわけでは無い。狙っていたわけでも無い。たまたまこの形になっただけだ。
だからディーノは驚いたのだ。
そしてその驚きは直後に焦りに変わった。
「ぐっ!?」
ミシリ、という音が痛みと共に脳へ走る。
腕の中で星を爆発させて抵抗する。
だがびくともしない。痛みが止まらない。
当たり前だ。同じ筋力勝負であっても、これは、
(私のほうが!)
体重と背筋を使っているシャロンの方が強い。
そしてその心の叫びと共に勝機を見出したシャロンは、背中の中でさらに星を爆発させた。
ディーノの肘から生じているものと同等の痛みと引き換えに力を生む。
瞬間、シャロンは耳にした。
ぷち、という、何かが千切れ始めた音が、ディーノの肘から生じたのを。
「ぐ、おおおおぉっ?!」
生じた激痛にディーノが叫ぶ。
限界が近いことを、いや、既に限界を少し過ぎてしまったことをその痛みから察する。
これ以上は、そんな思いからディーノがさらなる星を爆発させる。
もう少しで、そんな思いからシャロンがさらなる星を爆発させる。
ゆえに、
「「ぅ雄雄雄おおおぉぉっ!」」
二人の叫び声は重なり合った。
その勝負の天秤はシャロンの方に傾きつつあるように見えた。
が、直後、
「あうっ?!」
どこからか飛んできた光弾がシャロンの体に炸裂した。
赤みを帯びた、火の粉を纏った光弾であった。
ゆえに、探さずとも誰が放ったものかはすぐに分かった。
ディーノはその名を感謝の念と共に叫んだ。
「アラン!」
ディーノの視線の先には、抜け殻では無い親友の姿があった。
そしてアランはディーノと目を合わせながら叫んだ。
「終わらせよう、ディーノ!」と。
これにディーノは「ああ」と、力強い頷きを返した。
アランとディーノ、二人の足が同時にシャロンに向かって前に出る。
「……っ!」
近付いてくる二人の姿、その圧力にシャロンの足が後退する。
シャロンの心の中で同じ言葉が木霊する。
(どうする……?!)
どうすればいい、と。何度も何度も。
その時、ふと、
(あれだ、もうあれしか無い!)
天井にある穴が視界に、意識に入った。
それは唯一の希望に見えた。
逃げるという選択肢はディーノとの戦いの最中、ずっと存在した。
しかしそんな余裕は無かった。
そして状況はさらに悪くなった。
つまり、これは恐ろしく分の悪い選択肢。
しかしそれでも戦いでの勝ち目がほぼ無くなった以上、それはやはり最後の希望であった。
その希望への道を探りながら、足をさらに一歩後退させる。
直後、
「!」
シャロンのかかとが踏み弾いた小石の音が、合図となった。
シャロンから見て右前方にいるアランと左前方にいるディーノが同時に地を蹴る。
それから刹那遅れてシャロンがアランに向かって足を前に出す。
この時点で勝負は決まっていた。その刹那の差は致命的であった。
アランをディーノの攻撃に対しての盾として使いながらやり過ごし、駆け抜ける、可能性はそれしか無かった。
しかしアランの方が先に走り始めた。
双方とも片足であるが、シャロンの方は残った足が義足、ゆえにアランの方がわずかに速い。なので大きく右に回りこんで横を通り抜けるという手はもう使えない。読み合いに関してもアランの方が上だ。確実に立ち塞がれる。
一歩目にてシャロンはその事実に気付いた。
だからシャロンは即座に進路を切り替えた。
二人が完全に合流する前に、二人の間に距離があるうちに、そこを駆け抜ける。
しかし既に際どい。左右から挟みこまれる形で一度は攻撃される。
どうやってそれをやり過ごすか。緩慢な時間の中で、シャロンは思考を重ねた。
そしてシャロンの意識の線は自然と下を向いた。
体を出来るだけ小さく、細くしながら地面の上を滑り、そして転がって切り抜ける、「シャロンが」選んだ手はそれであった。
しかし次の瞬間、混沌は切り替えた。
即座に地面を蹴って跳躍。
これが混沌が選んだ手。
飛び越えることで交錯そのものをやり過ごし、瓦礫の山を蹴って穴に飛び込む。
だが、それもアランは読んでいた。そしてディーノと共感していた。
ゆえに、三人は同時に跳躍していた。
そして三つの影は空中で同時にぶつかり合い、
「「せぇやっ!」」
二つの気勢と銀閃が、シャロンを中心として交錯した。
刹那遅れて閃光の交差点から赤い華が生まれる。
胴と背中をそれぞれ逆方向から斬られたがゆえに、シャロンの身が回転を始める。
まるで赤い花びらを周囲に散らせるかのように。
シャロンはそのまま駒のように回りながら、地面に落ちた。
受身など取れなかった。
槍斧にえぐられた背骨は完全に断ち切れている。刀になでられた腹はその中身をこぼしている。
そして落下の衝撃で、シャロンの体は上半身と下半身に分かれた。
しかしシャロンは、両腕を使って地面の上を這い始めた。
瓦礫の方に向かって、ずるずると進む。
だがその前進はすぐに止まった。
自分の血で滑っていた。両腕だけが虚しく、地面を掻いていた。
そしてシャロンは前に向かって右手を伸ばしながら口を開いた。
「そんな……!」
手を伸ばした先には瓦礫以外何も無い。
ただ、シャロンは何かを探していた。この状況を逆転出来る何かを。
しかし見つからない。見つかるわけが無い。
だからシャロンは叫んでいた。
こんな終わり方だなんて、ここで終わるなんて! と。
「い……」
嫌だ、と、シャロンは言おうとしたが、それは言葉にならなかった。
ただ、ゴボゴボという血泡の音が漏れただけであった。
(まだ――)
だからシャロンは願った。
まだ終わりたくないと、まだ私は何も成し遂げていない、と。
「「……」」
その心の叫びに、アランとディーノは黙って耳を傾けていた。
二人は思った。
もし、自分も志半ばで倒れたら、この女と同じように最後のあがきをするのだろうか、と。
そして直後、二人の思いは別れた。
アランは今のシャロンの気持ちが良く分かっていた。共感出来ていた。
しかしディーノは違った。
ディーノには自信が無かった。
もし戦いの中で死ぬことになっても、自分はこのような生への執着心を見せることは出来ないだろうと。
なぜなら、自分が戦っている理由が大層なものでは無いからだ。魔法使いを見返したいという気持ちと、出世欲だけだからだ。
その願いが叶わずとも簡単にあきらめがつく程度の気持ち。事実、カルロの力を初めて見たときにそうなった。
だからディーノはシャロンのことが少しうらやましいと感じたと同時に、哀れだと思った。
なぜなら、こんな大した志を持たない男に、ただの力自慢に倒されたのだから。
しかしこれは神が定めたルール。自然の摂理。戦う理由の立派さは関係無い。ただ強い方が勝つ、それだけなのだ。
だから哀れだと思った。
だから何か言わなければと思い、ディーノは口を開いた。
「……強かったよ、お前は。間違い無く、俺が出会った中で最強だったよ」
相手が悪かった、その事実、その言葉は今のシャロンの慰みになったかは分からなかった。あえて、ディーノはシャロンの心を覗かなかった。
ただ、
「……」
シャロンは静かになり、そのまま逝った。
そして、アラン達の試練は終わった。
第四十七話 炎の紋章を背に に続く
ディーノの攻撃を剣で受ける。
これまでとは違う、倒れないように踏みとどまることを重視した受け方。
代償として、剣が根元で折れ飛ぶ。
だが、対価としてディーノが切り返すよりも速く、踏み込むことが出来た。
狙いは下半身。ゆえの低姿勢。
だが当然のように丸盾が、黒い壁が立ち塞がる。
その瞬間、シャロンの心に再び声が響いた。
柔軟に、水のように、と。
同時に映像も浮かんだ。
それはやはり、先の戦いのリックの映像だった。
そして気付けばシャロンは同じように動いていた。映像の中のリックを自分に重ねるように。
「!」
その動きに、闇の中に浮かび上がっている白い両目は見開いた。
シャロンが盾を足場にして跳躍したからだ。
まるで頭の上に乗ろうとするかのように。
そしてシャロンの攻撃意識が首に向けられたのを感じ取ったディーノは、盾を上にかざすように持ち上げた。
ディーノの頭蓋が盾の後ろに隠れる。
前からでは一分の隙も見当たらない。
だからシャロンは目標を変え、盾を蹴ってそちらへ跳んだ。
「なっ!?」
直後、槍斧を握る右腕にかかった重圧にディーノは思わず声を漏らした。
シャロンが腕に抱きついたのだ。
そしてそれは直前まで攻撃動作では無かった。攻撃意識が無かった。
シャロンも抱きついてから気付いたのだ。この体勢から関節技を仕掛けることが出来る事を。
相手の肘を自分の胸に押し当てるようにしがみつき、両足で相手の上腕部を挟んで固定する。
そして両腕を相手の手首に絡ませ、そのまま背をそらせば、相手の肘を逆に曲げることが出来る。
それはまさしく、我々の世界で言うところの「腕ひしぎ十字固め」であった。
「腕ひしぎ十字固め」という技をシャロンは知っていたわけでは無い。狙っていたわけでも無い。たまたまこの形になっただけだ。
だからディーノは驚いたのだ。
そしてその驚きは直後に焦りに変わった。
「ぐっ!?」
ミシリ、という音が痛みと共に脳へ走る。
腕の中で星を爆発させて抵抗する。
だがびくともしない。痛みが止まらない。
当たり前だ。同じ筋力勝負であっても、これは、
(私のほうが!)
体重と背筋を使っているシャロンの方が強い。
そしてその心の叫びと共に勝機を見出したシャロンは、背中の中でさらに星を爆発させた。
ディーノの肘から生じているものと同等の痛みと引き換えに力を生む。
瞬間、シャロンは耳にした。
ぷち、という、何かが千切れ始めた音が、ディーノの肘から生じたのを。
「ぐ、おおおおぉっ?!」
生じた激痛にディーノが叫ぶ。
限界が近いことを、いや、既に限界を少し過ぎてしまったことをその痛みから察する。
これ以上は、そんな思いからディーノがさらなる星を爆発させる。
もう少しで、そんな思いからシャロンがさらなる星を爆発させる。
ゆえに、
「「ぅ雄雄雄おおおぉぉっ!」」
二人の叫び声は重なり合った。
その勝負の天秤はシャロンの方に傾きつつあるように見えた。
が、直後、
「あうっ?!」
どこからか飛んできた光弾がシャロンの体に炸裂した。
赤みを帯びた、火の粉を纏った光弾であった。
ゆえに、探さずとも誰が放ったものかはすぐに分かった。
ディーノはその名を感謝の念と共に叫んだ。
「アラン!」
ディーノの視線の先には、抜け殻では無い親友の姿があった。
そしてアランはディーノと目を合わせながら叫んだ。
「終わらせよう、ディーノ!」と。
これにディーノは「ああ」と、力強い頷きを返した。
アランとディーノ、二人の足が同時にシャロンに向かって前に出る。
「……っ!」
近付いてくる二人の姿、その圧力にシャロンの足が後退する。
シャロンの心の中で同じ言葉が木霊する。
(どうする……?!)
どうすればいい、と。何度も何度も。
その時、ふと、
(あれだ、もうあれしか無い!)
天井にある穴が視界に、意識に入った。
それは唯一の希望に見えた。
逃げるという選択肢はディーノとの戦いの最中、ずっと存在した。
しかしそんな余裕は無かった。
そして状況はさらに悪くなった。
つまり、これは恐ろしく分の悪い選択肢。
しかしそれでも戦いでの勝ち目がほぼ無くなった以上、それはやはり最後の希望であった。
その希望への道を探りながら、足をさらに一歩後退させる。
直後、
「!」
シャロンのかかとが踏み弾いた小石の音が、合図となった。
シャロンから見て右前方にいるアランと左前方にいるディーノが同時に地を蹴る。
それから刹那遅れてシャロンがアランに向かって足を前に出す。
この時点で勝負は決まっていた。その刹那の差は致命的であった。
アランをディーノの攻撃に対しての盾として使いながらやり過ごし、駆け抜ける、可能性はそれしか無かった。
しかしアランの方が先に走り始めた。
双方とも片足であるが、シャロンの方は残った足が義足、ゆえにアランの方がわずかに速い。なので大きく右に回りこんで横を通り抜けるという手はもう使えない。読み合いに関してもアランの方が上だ。確実に立ち塞がれる。
一歩目にてシャロンはその事実に気付いた。
だからシャロンは即座に進路を切り替えた。
二人が完全に合流する前に、二人の間に距離があるうちに、そこを駆け抜ける。
しかし既に際どい。左右から挟みこまれる形で一度は攻撃される。
どうやってそれをやり過ごすか。緩慢な時間の中で、シャロンは思考を重ねた。
そしてシャロンの意識の線は自然と下を向いた。
体を出来るだけ小さく、細くしながら地面の上を滑り、そして転がって切り抜ける、「シャロンが」選んだ手はそれであった。
しかし次の瞬間、混沌は切り替えた。
即座に地面を蹴って跳躍。
これが混沌が選んだ手。
飛び越えることで交錯そのものをやり過ごし、瓦礫の山を蹴って穴に飛び込む。
だが、それもアランは読んでいた。そしてディーノと共感していた。
ゆえに、三人は同時に跳躍していた。
そして三つの影は空中で同時にぶつかり合い、
「「せぇやっ!」」
二つの気勢と銀閃が、シャロンを中心として交錯した。
刹那遅れて閃光の交差点から赤い華が生まれる。
胴と背中をそれぞれ逆方向から斬られたがゆえに、シャロンの身が回転を始める。
まるで赤い花びらを周囲に散らせるかのように。
シャロンはそのまま駒のように回りながら、地面に落ちた。
受身など取れなかった。
槍斧にえぐられた背骨は完全に断ち切れている。刀になでられた腹はその中身をこぼしている。
そして落下の衝撃で、シャロンの体は上半身と下半身に分かれた。
しかしシャロンは、両腕を使って地面の上を這い始めた。
瓦礫の方に向かって、ずるずると進む。
だがその前進はすぐに止まった。
自分の血で滑っていた。両腕だけが虚しく、地面を掻いていた。
そしてシャロンは前に向かって右手を伸ばしながら口を開いた。
「そんな……!」
手を伸ばした先には瓦礫以外何も無い。
ただ、シャロンは何かを探していた。この状況を逆転出来る何かを。
しかし見つからない。見つかるわけが無い。
だからシャロンは叫んでいた。
こんな終わり方だなんて、ここで終わるなんて! と。
「い……」
嫌だ、と、シャロンは言おうとしたが、それは言葉にならなかった。
ただ、ゴボゴボという血泡の音が漏れただけであった。
(まだ――)
だからシャロンは願った。
まだ終わりたくないと、まだ私は何も成し遂げていない、と。
「「……」」
その心の叫びに、アランとディーノは黙って耳を傾けていた。
二人は思った。
もし、自分も志半ばで倒れたら、この女と同じように最後のあがきをするのだろうか、と。
そして直後、二人の思いは別れた。
アランは今のシャロンの気持ちが良く分かっていた。共感出来ていた。
しかしディーノは違った。
ディーノには自信が無かった。
もし戦いの中で死ぬことになっても、自分はこのような生への執着心を見せることは出来ないだろうと。
なぜなら、自分が戦っている理由が大層なものでは無いからだ。魔法使いを見返したいという気持ちと、出世欲だけだからだ。
その願いが叶わずとも簡単にあきらめがつく程度の気持ち。事実、カルロの力を初めて見たときにそうなった。
だからディーノはシャロンのことが少しうらやましいと感じたと同時に、哀れだと思った。
なぜなら、こんな大した志を持たない男に、ただの力自慢に倒されたのだから。
しかしこれは神が定めたルール。自然の摂理。戦う理由の立派さは関係無い。ただ強い方が勝つ、それだけなのだ。
だから哀れだと思った。
だから何か言わなければと思い、ディーノは口を開いた。
「……強かったよ、お前は。間違い無く、俺が出会った中で最強だったよ」
相手が悪かった、その事実、その言葉は今のシャロンの慰みになったかは分からなかった。あえて、ディーノはシャロンの心を覗かなかった。
ただ、
「……」
シャロンは静かになり、そのまま逝った。
そして、アラン達の試練は終わった。
第四十七話 炎の紋章を背に に続く
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