Chivalry - 異国のサムライ達 -

稲田シンタロウ(SAN値ぜろ!)

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第五章 アランの力は留まる事を知らず、全てを巻き込み、魅了していく

第三十七話 炎の槍(16)

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 お兄ちゃん。


 どうしたの?


 なんで出て来てくれないの?


 お腹空いたでしょ?


 一緒にごはん食べようよ?


 あたし、お母さんに習って料理も洗濯も掃除も、ちゃんと家のことできるのよ?


 ほら、今日だってお兄ちゃんの大好きなカレー作ったんだから。


 いい匂いでしょ?


 ねえ、どうして部屋から出て来てくれないの?


 せっかく、あたし・・・戻って来た・・・・・のに。


 お兄ちゃんは、嬉しくないの?


「ぅ……が……ち……違う、違う違う違うっ、違うっ!? アイツは、お前は死んだんだっ!?」


 そう、だからあたしは戻って来たのよ?


「俺が悪かった。謝る。だから、頼むから、俺と彼女の娘を返してくれよぉ……」


 どうして泣いてるの?


 お兄ちゃん?


「違うっ!? アイツみたいに俺を呼ぶなっ!? お前は俺の娘だろっ!!!!」


 ? お兄ちゃんが、お母さんに言ったんじゃない。『この子はアイツの生まれ変わりなのかもしれませんね』って。


 お兄ちゃんが、お母さんにそう教えてくれたから。


 お兄ちゃんが、あたしをの名前で呼んでいいって言ってくれたから。


 あの人・・・は、酷く嫌がってヒステリーを起こすほどだったのに。


 でも、それでお母さんは、あたしのことすっごく大切に育ててくれたのよ?


「っ!? ぁ……あ、あああああアああァああああぁアァーーーーーっっ!?!?!?」


 お兄ちゃん? どうしたの? そんな叫び声を上げて、どこか痛いの?


 ねえ、ほら、ドアを開けてよ?


 早くごはんを食べて、結婚式の準備をしなきゃ。


 あたしのこと、お嫁さんにしてくれるって約束したじゃない。


 だから、出て来てよ。


 ねえ、愛してるわ。


 お兄ちゃん。


 これからも、ずっと一緒に暮らしましょうね?


 うふふ・・・


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