91 / 586
第四章 神秘はさらに輝きを増し、呪いとなってアランを戦いの場に連れ戻す
第二十九話 奴隷の意地(5)
しおりを挟む
◆◆◆
「!?」
リックの顔に僅かに驚きの色が浮かぶ。
炎の壁が、突如赤い竜巻に変わった。
円状に広がる炎の渦。距離を取る以外に回避する手段は無い。
にもかかわらず、リックはその場から動こうとせず、脇の下に引いた右手に魔力を込めた。
リックの狙い、それはこの赤い竜巻を強引に突破し、アンナの虚を突くことであった。
アンナはこの炎の渦を利用して距離を取り、仕切りなおすつもりだろう。
そうはさせない。体勢を整えられる前に決着をつける。
リックは息を鋭く吸い込み、右足を前に出しながら脇の下に引いていた右手を突き出した。
閃光が奔る。奥義による加速を乗せた光る拳。
だがそれだけでは無かった。その手の形は掌打であった。
リックは右手を前に出しながら手首をすばやく内側に捻り込んだ。
掌打に鋭い回転が加えられる。直後、その手から高速で回転する防御魔法のような、光る傘が放たれた。
それは、かつてクリスの炎を打ち破った「炎払い」という技であった。
だがあの時とは威力が違う。奥義によって目で追えないほどの速度の回転が加えられている。
赤い竜巻と炎払いがぶつかりあう。
リックが放った炎払いは竜巻を切り裂いていった。
順調、そう思った瞬間、光る傘の回転の勢いが弱まったように見えた。
それは気のせいでは無かった。回転の勢いは見る見るうちに弱まっていった。
もう限界だ。光る傘が竜巻に吹き飛ばされる。
その瞬間、リックは光る傘に向かって飛び込んだ。
弱弱しく回転する光る傘に向かって左拳を突き出す。
光る傘の回転が止まる。それよりも刹那早く、リックの左拳が叩きつけられた。
リックの光る左拳は弱った傘を引き裂くように打ち破った。
傘が消え、支えていた空洞が炎によって埋まり始める。それよりも早く、リックの体は竜巻の壁をくぐり抜けた。
まるで火の輪くぐり。命を賭けた曲芸であった。
だが、炎の壁を突破したリックの前にはさらなる脅威が待ち受けていた。
「!」
アンナが迎撃の姿勢を取っていたのだ。既に炎の鞭を放とうとしている。
読まれていた?! 回避、それとも防御?!
リックの本能は理性が提案した二つの案を却下し、もう一つの案を提示した。
リックはそれに従った。
奥義を使い、さらに前へ加速。
そして、アンナとリック、二人は同時に攻撃を放った。
アンナが燃える刀を振るい、リックが光る右拳を放つ。
直後、弧を描く炎の軌跡と、真っ直ぐな光る線が交差した。
拳を突き出した勢いのまま、リックの影がアンナの真横を通り抜ける。
そして数瞬の後、赤い竜巻は消え、二人の姿が大衆の前に露になった。
二人は背を向け合ったまま、静止していた。
リックは右肩から背中へ走る熱い痛みのせいで動けないでいた。まるで焼きごてで深くなぞられたかのような痛み。
(斬られた? いや、これは……)
浅い。痛みは強いが、深い傷では無い。
直後、背後から地を打ったような音が届く。
瞬間、確信。リックは胸に熱いものが湧き上がる感覚を覚えながら振り返った。
リックの瞳に地に膝をつくアンナの姿が映り込む。
アンナは右脇腹の少し上に手を当てていた。押さえる指の間から血が滲み出している。
確信は事実となり、リックはこみ上げてくる熱いものに突き動かされるまま、地を蹴った。
勝利は目の前。後はこの右拳を振りぬけば――
「!」
しかし直後、リックは足を止めた。
リックの目の前を光る物体が通り抜けたのだ。
光弾では無い。丸じゃ無い。三日月の形をしていた。
今のはまるで――そうだ、アンナが放った光刃だ。あれをそのまま小さくしたようなものだった。
光刃が飛んできた方向に視線を流す。
視界の隅に映り込む人影。足音が近い。敵は、先の光刃を放った者はもうすぐそこまで来ている。
視線の移動から刹那遅れて、体をその敵の方に向ける。
リックの瞳に敵の全容が映る。
それは――
「せえや!」
光る刃を袈裟に放つクラウスの姿であった。
「!」
反射的に地を蹴る。
直後、クラウスが放った袈裟斬りが、先ほどまでリックがいた空間を切り裂いた。
同時に、先と同様の光刃がクラウスの刀から放たれる。それは煌(きらめく)く粒子を含んだ風を生み、リックの頬を撫でた。振り下ろすように放たれた光刃はすぐ目の前の地面に着弾し、その場に細長い亀裂を作り出した。
反撃を――リックは身構えたが、クラウスは既に次の攻撃動作に移っていた。
奥義を使えばクラウスが刃を放つ前に割り込めるかもしれない。しかし、リックは様子を見ることにした。
クラウスは斜めに振り下ろす袈裟斬りから、真上に振り上げる攻撃へと動作を繋げた。
光刃が放たれるかもしれない。単純な後退で避けようとするのは危険だ。ゆえに、リックは先と同じように真横に回避行動を取った。
しかし、この時リックは気づいていなかった。クラウスの視線がリックの足元へ向いていたことを。
クラウスは見ていた。リックの足の動きを。
リックの足が地を蹴る。先と同じ勢いと足運び。ならば、移動先も先と同じはずだ。
クラウスは体の向きを変えつつ、振り上げていた手を止めた。
リックとクラウス、二人の視線が交錯する。
瞬間、リックの顔に驚きが浮かんだ。
クラウスが持つ刀の切っ先はリックの胸に突きつけられていた。
しかし何よりもリックを驚かせたのはその構え。
地に対し水平な剣。引き絞るように折り畳まれた腕。
見間違えようも無い。これはアランの構え。
先の振り上げはこの構えに繋げるための動作?! ならば本命は――
「!」
直後、一閃。
真っ直ぐな、閃光のような突きがリックの胸に向けて放たれた。
速い。普通の回避動作では間に合わない。
リックは奥義を使って背を反らしつつ、右手刀で刀を叩き払った。
「っう!」
リックの体に二つの痛みが走る。一つは背中。あまりに急な加速に、リックの背骨は悲鳴を上げた。
もう一つは刀を叩き払った右手刀。接触の際に斬られたようだ。
深く斬られた感覚。だが確認する暇は無い。今はそれよりも――
(好機!)
相手の懐は丸見えだ。剣から片手を離し、防御魔法を展開しようとしているようだが、それよりもこちらの反撃のほうが速い。
リックは再び奥義を使い、上半身を強引に起こした。
背骨が再び悲鳴を上げる。リックはそれを無視し、腰を鋭く捻った。
背中の痛みと引き換えに放たれる光の拳。
一発では無かった。恐ろしく速い連打であった。三本の閃光が走っただけにしか見えないほどの。
一撃目はクラウスの右胸骨に、二激目は防御魔法を展開しようと脇の下に引かれたクラウスの右肘に、三激目はクラウスが展開し始めた防御魔法を突き破って右頬に突き刺さった。
クラウスの頭の中に三つの骨が折れる音が響き、その身が後ろによろめく。
この時、クラウスの視線はアンナへと向けられていた。
アンナはまだ立ち上がっていない。
無念。彼女が逃げるまでの時間稼ぎすら出来ないとは。
リックが後ろに吹き飛ぶ自分へ向かって踏み込んでくるのが見える。
追撃が来る。先と同じか、それ以上の速さの攻撃が。
防げない。こちらが一手繰り出す間に、相手は五手動く。
ならば狙うは相打ち。捨て身の一撃を決めるしかない。
クラウスは覚悟を決め、
(武の神よ、力を――)
信じてもいない何かに祈った。
しかし、その何かはクラウスに力を与えなかった。
与える必要が無かったからだ。
「うおおおぉ!」
直後、二人の間に割って入る声。
リックは足を止め、声がした方向に視線を移した。
そこには盾を正面に構えて突っ込んでくるディーノの姿があった。
「!?」
リックの顔に僅かに驚きの色が浮かぶ。
炎の壁が、突如赤い竜巻に変わった。
円状に広がる炎の渦。距離を取る以外に回避する手段は無い。
にもかかわらず、リックはその場から動こうとせず、脇の下に引いた右手に魔力を込めた。
リックの狙い、それはこの赤い竜巻を強引に突破し、アンナの虚を突くことであった。
アンナはこの炎の渦を利用して距離を取り、仕切りなおすつもりだろう。
そうはさせない。体勢を整えられる前に決着をつける。
リックは息を鋭く吸い込み、右足を前に出しながら脇の下に引いていた右手を突き出した。
閃光が奔る。奥義による加速を乗せた光る拳。
だがそれだけでは無かった。その手の形は掌打であった。
リックは右手を前に出しながら手首をすばやく内側に捻り込んだ。
掌打に鋭い回転が加えられる。直後、その手から高速で回転する防御魔法のような、光る傘が放たれた。
それは、かつてクリスの炎を打ち破った「炎払い」という技であった。
だがあの時とは威力が違う。奥義によって目で追えないほどの速度の回転が加えられている。
赤い竜巻と炎払いがぶつかりあう。
リックが放った炎払いは竜巻を切り裂いていった。
順調、そう思った瞬間、光る傘の回転の勢いが弱まったように見えた。
それは気のせいでは無かった。回転の勢いは見る見るうちに弱まっていった。
もう限界だ。光る傘が竜巻に吹き飛ばされる。
その瞬間、リックは光る傘に向かって飛び込んだ。
弱弱しく回転する光る傘に向かって左拳を突き出す。
光る傘の回転が止まる。それよりも刹那早く、リックの左拳が叩きつけられた。
リックの光る左拳は弱った傘を引き裂くように打ち破った。
傘が消え、支えていた空洞が炎によって埋まり始める。それよりも早く、リックの体は竜巻の壁をくぐり抜けた。
まるで火の輪くぐり。命を賭けた曲芸であった。
だが、炎の壁を突破したリックの前にはさらなる脅威が待ち受けていた。
「!」
アンナが迎撃の姿勢を取っていたのだ。既に炎の鞭を放とうとしている。
読まれていた?! 回避、それとも防御?!
リックの本能は理性が提案した二つの案を却下し、もう一つの案を提示した。
リックはそれに従った。
奥義を使い、さらに前へ加速。
そして、アンナとリック、二人は同時に攻撃を放った。
アンナが燃える刀を振るい、リックが光る右拳を放つ。
直後、弧を描く炎の軌跡と、真っ直ぐな光る線が交差した。
拳を突き出した勢いのまま、リックの影がアンナの真横を通り抜ける。
そして数瞬の後、赤い竜巻は消え、二人の姿が大衆の前に露になった。
二人は背を向け合ったまま、静止していた。
リックは右肩から背中へ走る熱い痛みのせいで動けないでいた。まるで焼きごてで深くなぞられたかのような痛み。
(斬られた? いや、これは……)
浅い。痛みは強いが、深い傷では無い。
直後、背後から地を打ったような音が届く。
瞬間、確信。リックは胸に熱いものが湧き上がる感覚を覚えながら振り返った。
リックの瞳に地に膝をつくアンナの姿が映り込む。
アンナは右脇腹の少し上に手を当てていた。押さえる指の間から血が滲み出している。
確信は事実となり、リックはこみ上げてくる熱いものに突き動かされるまま、地を蹴った。
勝利は目の前。後はこの右拳を振りぬけば――
「!」
しかし直後、リックは足を止めた。
リックの目の前を光る物体が通り抜けたのだ。
光弾では無い。丸じゃ無い。三日月の形をしていた。
今のはまるで――そうだ、アンナが放った光刃だ。あれをそのまま小さくしたようなものだった。
光刃が飛んできた方向に視線を流す。
視界の隅に映り込む人影。足音が近い。敵は、先の光刃を放った者はもうすぐそこまで来ている。
視線の移動から刹那遅れて、体をその敵の方に向ける。
リックの瞳に敵の全容が映る。
それは――
「せえや!」
光る刃を袈裟に放つクラウスの姿であった。
「!」
反射的に地を蹴る。
直後、クラウスが放った袈裟斬りが、先ほどまでリックがいた空間を切り裂いた。
同時に、先と同様の光刃がクラウスの刀から放たれる。それは煌(きらめく)く粒子を含んだ風を生み、リックの頬を撫でた。振り下ろすように放たれた光刃はすぐ目の前の地面に着弾し、その場に細長い亀裂を作り出した。
反撃を――リックは身構えたが、クラウスは既に次の攻撃動作に移っていた。
奥義を使えばクラウスが刃を放つ前に割り込めるかもしれない。しかし、リックは様子を見ることにした。
クラウスは斜めに振り下ろす袈裟斬りから、真上に振り上げる攻撃へと動作を繋げた。
光刃が放たれるかもしれない。単純な後退で避けようとするのは危険だ。ゆえに、リックは先と同じように真横に回避行動を取った。
しかし、この時リックは気づいていなかった。クラウスの視線がリックの足元へ向いていたことを。
クラウスは見ていた。リックの足の動きを。
リックの足が地を蹴る。先と同じ勢いと足運び。ならば、移動先も先と同じはずだ。
クラウスは体の向きを変えつつ、振り上げていた手を止めた。
リックとクラウス、二人の視線が交錯する。
瞬間、リックの顔に驚きが浮かんだ。
クラウスが持つ刀の切っ先はリックの胸に突きつけられていた。
しかし何よりもリックを驚かせたのはその構え。
地に対し水平な剣。引き絞るように折り畳まれた腕。
見間違えようも無い。これはアランの構え。
先の振り上げはこの構えに繋げるための動作?! ならば本命は――
「!」
直後、一閃。
真っ直ぐな、閃光のような突きがリックの胸に向けて放たれた。
速い。普通の回避動作では間に合わない。
リックは奥義を使って背を反らしつつ、右手刀で刀を叩き払った。
「っう!」
リックの体に二つの痛みが走る。一つは背中。あまりに急な加速に、リックの背骨は悲鳴を上げた。
もう一つは刀を叩き払った右手刀。接触の際に斬られたようだ。
深く斬られた感覚。だが確認する暇は無い。今はそれよりも――
(好機!)
相手の懐は丸見えだ。剣から片手を離し、防御魔法を展開しようとしているようだが、それよりもこちらの反撃のほうが速い。
リックは再び奥義を使い、上半身を強引に起こした。
背骨が再び悲鳴を上げる。リックはそれを無視し、腰を鋭く捻った。
背中の痛みと引き換えに放たれる光の拳。
一発では無かった。恐ろしく速い連打であった。三本の閃光が走っただけにしか見えないほどの。
一撃目はクラウスの右胸骨に、二激目は防御魔法を展開しようと脇の下に引かれたクラウスの右肘に、三激目はクラウスが展開し始めた防御魔法を突き破って右頬に突き刺さった。
クラウスの頭の中に三つの骨が折れる音が響き、その身が後ろによろめく。
この時、クラウスの視線はアンナへと向けられていた。
アンナはまだ立ち上がっていない。
無念。彼女が逃げるまでの時間稼ぎすら出来ないとは。
リックが後ろに吹き飛ぶ自分へ向かって踏み込んでくるのが見える。
追撃が来る。先と同じか、それ以上の速さの攻撃が。
防げない。こちらが一手繰り出す間に、相手は五手動く。
ならば狙うは相打ち。捨て身の一撃を決めるしかない。
クラウスは覚悟を決め、
(武の神よ、力を――)
信じてもいない何かに祈った。
しかし、その何かはクラウスに力を与えなかった。
与える必要が無かったからだ。
「うおおおぉ!」
直後、二人の間に割って入る声。
リックは足を止め、声がした方向に視線を移した。
そこには盾を正面に構えて突っ込んでくるディーノの姿があった。
0
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説
何を間違った?【完結済】
maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。
彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。
今真実を聞いて⋯⋯。
愚かな私の後悔の話
※作者の妄想の産物です
他サイトでも投稿しております
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
【完結】王子は聖女と結婚するらしい。私が聖女であることは一生知らないままで
雪野原よる
恋愛
「聖女と結婚するんだ」──私の婚約者だった王子は、そう言って私を追い払った。でも、その「聖女」、私のことなのだけど。
※王国は滅びます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる