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第四章 神秘はさらに輝きを増し、呪いとなってアランを戦いの場に連れ戻す
第二十八話 迫る暴威(4)
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◆◆◆
夜――
「今日は二人で呑もう」
と、ディーノに誘われたアランは、兵舎へと足を運んでいた。
「いつも通り汚い部屋だが、まあ我慢してくれ」
ディーノがお約束の台詞を言いながら、自身の部屋のドアに手をかける。
と、その時、
「あ、そうだ」
ディーノは思い出したというような表情で口を開いた。
「実は今、部屋に一人いるんだけど、構わないよな?」
アランがよく考えずに「ああ」と答えると、ディーノは勢いよくドアを開けながら、室内に向かって口を開いた。
「帰ったぞ」
アランはその台詞の意味が一瞬わからなかった。帰ったぞ? それではまるで身内への――
「お帰りなさいませ、ディーノ様」
アランの思考を断ち切るように室内から女性の声が届く。
「だから、様を付けて呼ぶのはやめてくれっていつも言ってるだろう?」
ディーノの視線の先、そこには膝をついて頭を下げる一人の女性の姿があった。
「ディーノ、この人は……」
アランが思わず尋ねると、
「ああ、サラっていうんだ」
と、非常にあっさりとした紹介をされた。
聞きたいのは名前だけでは無いのだが。まあ、それは順に聞いていけばいいか。
「まあ座れよアラン。サラ、酒を出してくれ」
ディーノに促されるままアランが席につくと、サラが棚から酒とコップを取り出してきた。
サラが取り出したのは麦の発酵酒であった。
世に多く普及している一般的なお酒だ。庶民が好んで呑むものなので安酒の印象が強いが、伝統ある高級品も存在する。
今サラが手にしているものは高級品のほうだ。瓶に美しい絵が描かれた貼り札がされているのがその証拠だ。
そして、サラは客人であるアランのほうから先に御酌をした。
サラは張り紙が上になるように、アランからよく見えるように瓶を持った。片手で瓶の底を支え、もう片方の手で注ぎ口の傍を支えていた。
アランは何故かサラのその何気ない動作に目を奪われた。その所作がどういうものなのかをアランはよく知っていたからだ。
(これは……)
言葉にはしなかった。知っていても不思議では無いなと思った。この時は。
「それじゃあ、乾杯」
そして、耳に入ったディーノのその言葉にアランは思考を中断し、酒が注がれたコップをぶつけあった。
◆◆◆
その後――
ディーノとの宴は静かに終わった。
呑んだ量も多くなく、二人の顔色は全く変わっていない。
いつ戦いがあるか分からないからだ。しかも今のディーノは一つの部隊を指揮する身なのだ。翌日に引き摺るまで呑むことなどあってはならない。
そして今、アランは兵舎を離れ、クリスに用意された部屋へと向かっていた。
アランの傍にはディーノの姿もあった。
部屋まで送る、という申し出をアランは遠慮したのだが、ディーノはこうして強引に付いてきていた。
だが、二人の間に会話は無かった。
そして、アランの部屋が視界に入った瞬間、
「ちょっと聞いていいか?」
と、ディーノが声を出した。
これにアランが「なんだ?」という視線を返すと、ディーノは再び口を開いた。
「こんな時にこんな事を聞くのはどうかと思うんだがよ……その、サラのこと、どう思う?」
何を聞きたいのかよく分からなかったアランは尋ね返した。
「どうって?」
これにディーノは言葉を詰まらせた。上手く表現できる言葉が見つからないのだろう。
暫し後、ディーノは口を開いた。
「……なんか、普通とは違わないと思わねえか?」
ディーノの言葉に思い当たることがあったアランはすぐに答えた。
「彼女は多分、貴族の娘だ。でなければ、貴族の家で働いていた召使いだろう」
「どうしてそう思うんだ?」
「彼女の動作が全て貴族の作法に則った(のっとった)ものだったから」
この答えに、ディーノは「分かっていたけど聞きたくなかった」というような顔をしながら口を開いた。
「……あー、やっぱりそうなのか」
ディーノのその表情に、アランは理由を尋ねた。
「どうした? 彼女が貴族と関係がある人間だとして、何か困ることがあるのか?」
まさか、既に男女の営みを終えていて、彼女のお腹には俺の子供がいるんだ、とか言い出すつもりなのだろうか。アランがそんなことを考えていると、ディーノは再び口を開いた。
「あー、いや、なんとなくそんな気はしてたんだ。いやしかし、これはどうしたもんかなー……」
頭を掻きながら唸るディーノに、アランは再び尋ねた。
「おいおい、一体どうした? 何を悩んでるんだ」
ディーノは頭に添えた手をそのままに、ゆっくりと答えた。
「……クリス様に縁談の話があったっていうのは知ってるか?」
アランが頷きを返すと、ディーノは言葉を続けた。
「実は、その……サラはもしかしたら、その縁談の相手だった、ディアナなんじゃないかなあ……ってな」
ディーノの語気は喋るほどに弱くなっていた。最後の「ってな」の部分に関しては、注意していなければ聞き取れないほどであった。
そんなディーノに対し、アランは驚きを返した。
「サラがディアナだって!? どうしてそう思うんだ?」
ディーノは頭に添えた手を再び動かしながら答えた。
「いや、出会いからして普通じゃなかったんだよ。でも、サラがディアナなんだとしたら、あそこであんな出会い方をしたのにも合点がいっちまうんだ」
その言葉に興味が沸いたアランは尋ねた。
「普通じゃない出会いっていうのはどういう?」
ディーノは頭を掻いていた手の速度を緩め、ゆっくりと口を開いた。
「……えーと、初めて出会った時、サラは妙な男達に追われてたんだよ。そいつらは俺が黙らせたんだが、そん時のサラはそれはもうぼろぼろでな、まるで森の中を駆け抜けてきたみたいだったぜ。
それだけじゃあねえ。俺がサラと出会ったのは、クリス様のお見合い相手が襲撃されてからまだあまり時間が経ってない頃ときた。ここまでくれば、サラはディアナだとしか考えられないだろ?」
「……」
ディーノの弁に、アランは同意を示す沈黙を返した。
確かに、サラはディアナだとしか考えられない。
ならばどうする? 彼女をリチャードに引き渡すか?
……いや、それは出来れば避けたい。だが、彼女の意思も尊重したい。
だからアランは尋ねた。
「彼女は、サラは家に帰りたいと口にしたことはあるか?」
突然の質問に、ディーノは首を振った。
「? いや? それどころか、ここに置いてくれって泣きつかれたぞ」
この答えにアランは胸を撫で下ろした。
「そうか、それならいい。気にしないでくれ」
安心するアランに対し、ディーノは不安げに口を開いた。
「……しかし、クリス様のお見合い相手だった人を、逃げ出した貴族の女を囲っておくっていうのは、まずくねえか?」
「……」
アランはすぐには答えられなかった。問題が無いと言えば嘘になる。
例えば、アンナがどこの馬の骨とも分からぬ輩とそういうことになったら、父はどうするだろうか。
「……」
どう考えても穏やかな未来が想像できない。リチャードにしても同じだろう。激怒するのではないか。怒るだけならまだいい。もしリチャードが何かしらの報復行動に出たら? 何か厄介な要求を突きつけてきたら?
しかし、それでもサラを、ディアナをリチャードのもとに返すという選択肢はアランには選べなかった。
だからアランは、
「バレなければ問題無いだろう。バレたとしても、貴族の女だとは知らなかったと言い切ってしまえばいい」
などと、気休めにもならない言葉をディーノに返した。
これにディーノはやはり納得出来ない様子で、
「そうかあ? まあ、お前の言うとおり何事も無ければいいんだがよ」
疑問交じりの返事をアランに返した。
そして、ディーノは頭に添えていた手をようやく下ろしながら、続けて口を開いた。
「変な話をして済まなかったな。じゃあ俺はそろそろ帰るわ」
淡白な言葉の後、ディーノはアランに背を向けた。
ディーノの足が帰路を辿り始める。離れ始めたその背中に、アランは何故か何も言うことができなかった。
夜――
「今日は二人で呑もう」
と、ディーノに誘われたアランは、兵舎へと足を運んでいた。
「いつも通り汚い部屋だが、まあ我慢してくれ」
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と、その時、
「あ、そうだ」
ディーノは思い出したというような表情で口を開いた。
「実は今、部屋に一人いるんだけど、構わないよな?」
アランがよく考えずに「ああ」と答えると、ディーノは勢いよくドアを開けながら、室内に向かって口を開いた。
「帰ったぞ」
アランはその台詞の意味が一瞬わからなかった。帰ったぞ? それではまるで身内への――
「お帰りなさいませ、ディーノ様」
アランの思考を断ち切るように室内から女性の声が届く。
「だから、様を付けて呼ぶのはやめてくれっていつも言ってるだろう?」
ディーノの視線の先、そこには膝をついて頭を下げる一人の女性の姿があった。
「ディーノ、この人は……」
アランが思わず尋ねると、
「ああ、サラっていうんだ」
と、非常にあっさりとした紹介をされた。
聞きたいのは名前だけでは無いのだが。まあ、それは順に聞いていけばいいか。
「まあ座れよアラン。サラ、酒を出してくれ」
ディーノに促されるままアランが席につくと、サラが棚から酒とコップを取り出してきた。
サラが取り出したのは麦の発酵酒であった。
世に多く普及している一般的なお酒だ。庶民が好んで呑むものなので安酒の印象が強いが、伝統ある高級品も存在する。
今サラが手にしているものは高級品のほうだ。瓶に美しい絵が描かれた貼り札がされているのがその証拠だ。
そして、サラは客人であるアランのほうから先に御酌をした。
サラは張り紙が上になるように、アランからよく見えるように瓶を持った。片手で瓶の底を支え、もう片方の手で注ぎ口の傍を支えていた。
アランは何故かサラのその何気ない動作に目を奪われた。その所作がどういうものなのかをアランはよく知っていたからだ。
(これは……)
言葉にはしなかった。知っていても不思議では無いなと思った。この時は。
「それじゃあ、乾杯」
そして、耳に入ったディーノのその言葉にアランは思考を中断し、酒が注がれたコップをぶつけあった。
◆◆◆
その後――
ディーノとの宴は静かに終わった。
呑んだ量も多くなく、二人の顔色は全く変わっていない。
いつ戦いがあるか分からないからだ。しかも今のディーノは一つの部隊を指揮する身なのだ。翌日に引き摺るまで呑むことなどあってはならない。
そして今、アランは兵舎を離れ、クリスに用意された部屋へと向かっていた。
アランの傍にはディーノの姿もあった。
部屋まで送る、という申し出をアランは遠慮したのだが、ディーノはこうして強引に付いてきていた。
だが、二人の間に会話は無かった。
そして、アランの部屋が視界に入った瞬間、
「ちょっと聞いていいか?」
と、ディーノが声を出した。
これにアランが「なんだ?」という視線を返すと、ディーノは再び口を開いた。
「こんな時にこんな事を聞くのはどうかと思うんだがよ……その、サラのこと、どう思う?」
何を聞きたいのかよく分からなかったアランは尋ね返した。
「どうって?」
これにディーノは言葉を詰まらせた。上手く表現できる言葉が見つからないのだろう。
暫し後、ディーノは口を開いた。
「……なんか、普通とは違わないと思わねえか?」
ディーノの言葉に思い当たることがあったアランはすぐに答えた。
「彼女は多分、貴族の娘だ。でなければ、貴族の家で働いていた召使いだろう」
「どうしてそう思うんだ?」
「彼女の動作が全て貴族の作法に則った(のっとった)ものだったから」
この答えに、ディーノは「分かっていたけど聞きたくなかった」というような顔をしながら口を開いた。
「……あー、やっぱりそうなのか」
ディーノのその表情に、アランは理由を尋ねた。
「どうした? 彼女が貴族と関係がある人間だとして、何か困ることがあるのか?」
まさか、既に男女の営みを終えていて、彼女のお腹には俺の子供がいるんだ、とか言い出すつもりなのだろうか。アランがそんなことを考えていると、ディーノは再び口を開いた。
「あー、いや、なんとなくそんな気はしてたんだ。いやしかし、これはどうしたもんかなー……」
頭を掻きながら唸るディーノに、アランは再び尋ねた。
「おいおい、一体どうした? 何を悩んでるんだ」
ディーノは頭に添えた手をそのままに、ゆっくりと答えた。
「……クリス様に縁談の話があったっていうのは知ってるか?」
アランが頷きを返すと、ディーノは言葉を続けた。
「実は、その……サラはもしかしたら、その縁談の相手だった、ディアナなんじゃないかなあ……ってな」
ディーノの語気は喋るほどに弱くなっていた。最後の「ってな」の部分に関しては、注意していなければ聞き取れないほどであった。
そんなディーノに対し、アランは驚きを返した。
「サラがディアナだって!? どうしてそう思うんだ?」
ディーノは頭に添えた手を再び動かしながら答えた。
「いや、出会いからして普通じゃなかったんだよ。でも、サラがディアナなんだとしたら、あそこであんな出会い方をしたのにも合点がいっちまうんだ」
その言葉に興味が沸いたアランは尋ねた。
「普通じゃない出会いっていうのはどういう?」
ディーノは頭を掻いていた手の速度を緩め、ゆっくりと口を開いた。
「……えーと、初めて出会った時、サラは妙な男達に追われてたんだよ。そいつらは俺が黙らせたんだが、そん時のサラはそれはもうぼろぼろでな、まるで森の中を駆け抜けてきたみたいだったぜ。
それだけじゃあねえ。俺がサラと出会ったのは、クリス様のお見合い相手が襲撃されてからまだあまり時間が経ってない頃ときた。ここまでくれば、サラはディアナだとしか考えられないだろ?」
「……」
ディーノの弁に、アランは同意を示す沈黙を返した。
確かに、サラはディアナだとしか考えられない。
ならばどうする? 彼女をリチャードに引き渡すか?
……いや、それは出来れば避けたい。だが、彼女の意思も尊重したい。
だからアランは尋ねた。
「彼女は、サラは家に帰りたいと口にしたことはあるか?」
突然の質問に、ディーノは首を振った。
「? いや? それどころか、ここに置いてくれって泣きつかれたぞ」
この答えにアランは胸を撫で下ろした。
「そうか、それならいい。気にしないでくれ」
安心するアランに対し、ディーノは不安げに口を開いた。
「……しかし、クリス様のお見合い相手だった人を、逃げ出した貴族の女を囲っておくっていうのは、まずくねえか?」
「……」
アランはすぐには答えられなかった。問題が無いと言えば嘘になる。
例えば、アンナがどこの馬の骨とも分からぬ輩とそういうことになったら、父はどうするだろうか。
「……」
どう考えても穏やかな未来が想像できない。リチャードにしても同じだろう。激怒するのではないか。怒るだけならまだいい。もしリチャードが何かしらの報復行動に出たら? 何か厄介な要求を突きつけてきたら?
しかし、それでもサラを、ディアナをリチャードのもとに返すという選択肢はアランには選べなかった。
だからアランは、
「バレなければ問題無いだろう。バレたとしても、貴族の女だとは知らなかったと言い切ってしまえばいい」
などと、気休めにもならない言葉をディーノに返した。
これにディーノはやはり納得出来ない様子で、
「そうかあ? まあ、お前の言うとおり何事も無ければいいんだがよ」
疑問交じりの返事をアランに返した。
そして、ディーノは頭に添えていた手をようやく下ろしながら、続けて口を開いた。
「変な話をして済まなかったな。じゃあ俺はそろそろ帰るわ」
淡白な言葉の後、ディーノはアランに背を向けた。
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