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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む
最終話 主が戻る 人よ思い出せ 古き恐れを(5)
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何を準備しろというのか、語るまでも無く以心伝心であった。
だからデュランは己がやるべきことを始めた。
走り出し、最大速度に達すると同時に跳躍。
三角跳びの要領で木から木へ飛び移る。
可能な限り速度を落とさぬようにしながら上へ上へ。
その間に、戦士長は頼まれた準備を進めていた。
剣をさらに増やし、大剣の二刀流に。
その二枚の刃と、デュランの大剣に重ねる。
精霊の刃が鋼の刃に巻き付き、からみ合う。
そして刃は融合し、巨大な一本の大剣に。
デュランは完成したその剣に魔力を注ぎながら、一本の太枝に狙いをつけた。
あれがいい、そう思ったデュランは迷わずその枝に飛び移った。
枝のしなりを利用し、反動で加速を得ながら跳躍。
空を目指すかのように高く舞い上がり、枝葉の茂みの中から上へ飛び出す。
するとそこには、巨大な剣を構えて舞い降りてくるヘルハルトの姿があった。
まるでデュランが空へ向かうのを邪魔しようとしているかのように。
瞬間、二人の心は交錯した。
叩き落とす、切り払う、二つの心の声がぶつかり合う。
そして直後に描かれた剣閃の軌跡は心の声の通りであった。
ヘルハルトが振り下ろし、デュランが横に一文字を描く。
そのぶつかり合いの瞬間、デュランと戦士長とヘルハルトの三人は気勢を響かせた。
““「シィヤアアアアアァッ!」””
奇しくも三人の気勢は同じであり、重なった。
弾けるようにあふれ出した光の魔力が、稲妻となって四方に散り、網の目のようになって空を埋める。
気勢から響く気力は互角。
であったが、ナイフと剣のぶつかり合いと言えるほどのサイズ差があった。
当然のようにデュランの刃が押し負ける。
が、
“!?”
ヘルハルトはまたしても驚かされた。
またしても刃が食われたからだ。
しかも派手に。
ごっそりと、刀身の半分に達するほどに、大きくもぎ取られていた。
だからデュランは己がやるべきことを始めた。
走り出し、最大速度に達すると同時に跳躍。
三角跳びの要領で木から木へ飛び移る。
可能な限り速度を落とさぬようにしながら上へ上へ。
その間に、戦士長は頼まれた準備を進めていた。
剣をさらに増やし、大剣の二刀流に。
その二枚の刃と、デュランの大剣に重ねる。
精霊の刃が鋼の刃に巻き付き、からみ合う。
そして刃は融合し、巨大な一本の大剣に。
デュランは完成したその剣に魔力を注ぎながら、一本の太枝に狙いをつけた。
あれがいい、そう思ったデュランは迷わずその枝に飛び移った。
枝のしなりを利用し、反動で加速を得ながら跳躍。
空を目指すかのように高く舞い上がり、枝葉の茂みの中から上へ飛び出す。
するとそこには、巨大な剣を構えて舞い降りてくるヘルハルトの姿があった。
まるでデュランが空へ向かうのを邪魔しようとしているかのように。
瞬間、二人の心は交錯した。
叩き落とす、切り払う、二つの心の声がぶつかり合う。
そして直後に描かれた剣閃の軌跡は心の声の通りであった。
ヘルハルトが振り下ろし、デュランが横に一文字を描く。
そのぶつかり合いの瞬間、デュランと戦士長とヘルハルトの三人は気勢を響かせた。
““「シィヤアアアアアァッ!」””
奇しくも三人の気勢は同じであり、重なった。
弾けるようにあふれ出した光の魔力が、稲妻となって四方に散り、網の目のようになって空を埋める。
気勢から響く気力は互角。
であったが、ナイフと剣のぶつかり合いと言えるほどのサイズ差があった。
当然のようにデュランの刃が押し負ける。
が、
“!?”
ヘルハルトはまたしても驚かされた。
またしても刃が食われたからだ。
しかも派手に。
ごっそりと、刀身の半分に達するほどに、大きくもぎ取られていた。
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