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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む
第二十五話 愛を讃えよ(22)
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やはり拡散しすぎている。ゆえにカーテンすら押せない。
だが、追撃する形でデュランが踏み込んできていた。
型は突進突き。
どう対処するかは既に決まっており、カーテンの下で準備は完了していた。
巨大化した左手に魔力が充填されている。
アゼルフスは白く輝くその手を、ムチのようにしならせながらデュランの大剣に叩きつけた。
「っ!」
雷に似た光魔法の炸裂音と共に、デュランの姿勢が崩れる。
大きく不利になるほどの崩しでは無い。
が、デュランもアゼルフスも直後に同時に後方に跳び引いた。
様子をうかがうためだ。
この場に味方と敵が集まりつつある。
間も無くこの場は乱戦になる。その結果次第で状況は大きく傾くからだ。
そして直後、予想通りの音が場に響き始めた。
大量の銃声。
予想通りゆえにアゼルフスは既に木の裏に身を隠している。
そしてアゼルフスだけを狙った銃撃では無い。
炎の戦士達も次々と場に到着している。
精霊達もだ。狼や熊に小さなドラゴン。そして形容し難い異形などが場に群がり、食い合いを始めている。
、それらすべてのぶつかり合いがどちらに傾くのかを注視していた。
その結果を一番早く読み切ったのはサイラスであった。
「後退するぞ、デュラン!」
その声が響くと同時にサイラスとデュランは後方に地を蹴り、アゼルフスは逆に木の裏から飛び出した。
乱戦の天秤はサイラス達に大きく不利がつく結果に傾いていた。
ゆえに間も無く、サイラスとデュランを左右から挟撃しようとしてくる炎の戦士達の姿が視界に入った。
「左のやつを頼む!」
サイラスはそう声を上げながら、右手側から迫る敵に向かって宝石剣を振るった。
デュランが右手側の敵に大剣を振るう。
光の斬撃で敵を押し払いながら走り続ける。
しかし間に合わない、それをデュランは叫んだ。
「囲まれるぞ!」
だが、追撃する形でデュランが踏み込んできていた。
型は突進突き。
どう対処するかは既に決まっており、カーテンの下で準備は完了していた。
巨大化した左手に魔力が充填されている。
アゼルフスは白く輝くその手を、ムチのようにしならせながらデュランの大剣に叩きつけた。
「っ!」
雷に似た光魔法の炸裂音と共に、デュランの姿勢が崩れる。
大きく不利になるほどの崩しでは無い。
が、デュランもアゼルフスも直後に同時に後方に跳び引いた。
様子をうかがうためだ。
この場に味方と敵が集まりつつある。
間も無くこの場は乱戦になる。その結果次第で状況は大きく傾くからだ。
そして直後、予想通りの音が場に響き始めた。
大量の銃声。
予想通りゆえにアゼルフスは既に木の裏に身を隠している。
そしてアゼルフスだけを狙った銃撃では無い。
炎の戦士達も次々と場に到着している。
精霊達もだ。狼や熊に小さなドラゴン。そして形容し難い異形などが場に群がり、食い合いを始めている。
、それらすべてのぶつかり合いがどちらに傾くのかを注視していた。
その結果を一番早く読み切ったのはサイラスであった。
「後退するぞ、デュラン!」
その声が響くと同時にサイラスとデュランは後方に地を蹴り、アゼルフスは逆に木の裏から飛び出した。
乱戦の天秤はサイラス達に大きく不利がつく結果に傾いていた。
ゆえに間も無く、サイラスとデュランを左右から挟撃しようとしてくる炎の戦士達の姿が視界に入った。
「左のやつを頼む!」
サイラスはそう声を上げながら、右手側から迫る敵に向かって宝石剣を振るった。
デュランが右手側の敵に大剣を振るう。
光の斬撃で敵を押し払いながら走り続ける。
しかし間に合わない、それをデュランは叫んだ。
「囲まれるぞ!」
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