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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む

第二十四話 神殺し、再び(61)

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 津波と共に怪物が押し寄せる。
 森そのものを飲み込んできているように見えるほどに高く、分厚い。
 が、シャロンは余裕の表情で、

「怪物の親玉にしては、すいぶんぬるい反撃ね!」

 爆発魔法の連射で津波を撃ち砕いた。 
 倒し損ねた異形は宝石剣と宝石銃で処理。
 キーラの戦況も似たようなものであった。
 シャロンより処理速度は劣るものの、追い詰められること無く丁寧に爆発魔法で処理していく。

(……っ!)

 ここまでやってもあの二人を押し返せない、足を止めるだけで精一杯、その事実にヨグ=ソトースの心はさらに歪んだ。
 そんなヨグ=ソトースの前にさらに心をかき乱す者が現れる。
 それはやはりデュラン。
 右手にある大剣には既に魔力が満ちている。
 だが、纏わりついている虫の数は少ない。
 ゆえにか、デュランはアルフレッドに向かって叫んだ。

「アルフレッド、俺に合わせろ!」

 その声にアルフレッドは頷きを返し、二刀に魔力を込めた。
 同時に蝶の精霊を展開。
 デュランの準備完了を待つ。
 何の準備をしているのか、二人で何を合わせようとしているのかは明白。
 ゆえにヨグ=ソトースはそれを止めにかかった。
 得意の人魂、紫色の炎に爆発魔法、すべてを使って止めようとした。
 が、

(……っ!)

 いずれもアルフレッドとデュランには届かなかった。
 ルイスが人魂を全て撃ち落とし、キーラの精霊が炎を止め、フレディ達が銃撃で爆発魔法を破壊した。

(銃兵まで……ッ!)

 狙撃要因が、フレディ達がこんなに前に出てきている、出てこれている。その事実に対してヨグ=ソトースは声を上げた。

(こっちの銃兵は何をしている?!)と。

 その答えは聞くまでも無くわかっていたが、それでもヨグ=ソトースは怒りをむきだしにせざるを得なかった。
 全部隊が押され始めている。踏みとどまることすら難しいほどに、手数と火力に差がつき始めている。
 もはやヨグ=ソトースの知識と演算能力をもってしても対抗策が浮かばない。
 そして直後、デュランがトドメと言うかのように声を上げた。

「やるぞ! アルフレッド!」

 これに、アルフレッドは同じように力強く声を返した。

「はい! 終わらせましょう!」
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