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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む
第二十四話 神殺し、再び(60)
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その余波はヨグ=ソトースにまで届いた。
だから認識を改めざるを得なかった。
ちょっと精霊の扱いが上手いだけの大男、ヨグ=ソトースはデュランのことをそう評価していた。
戦闘力ではアルフレッドよりも下、そう見ていた。
しかしその認識は間違いであった。あれはシャロンやキーラと同じ、人の形をした大砲だ。
それがこちらに来る、どう対処する?
アルフレッドとルイスはしぶとく、鬱陶しいほどにまとわりついている。
この二人の相手だけで手一杯。
(アザトースは……?!)
だからヨグ=ソトースは目玉の一つを使ってアザトースの戦況を見上げた。
どれだけ劣勢に追い込まれても、巨大精霊同士の戦いを制すれば巨大光弾で逆転できるからだ。
が、その期待感は今のままでは期待薄に見えた。
押すことは押しているが、若干という程度。
この様子だと巨大ドラゴンを倒すのにどれだけ時間がかかるのか、どれくらいの時間を稼がなければならないのか、それをヨグ=ソトースが推定し始めた直後、
「!」
爆発音が斜め後ろから響いた。
シャロンとキーラが放った爆発魔法の音。
両脇腹に大穴が空いたことが即座に報告される。
アザトースは触手を使って自動反撃を行っているが、二人にはまったく通じていない。このままだとただのデカイだけの良い標的だ。
時間稼ぎをしつつ、シャロンとキーラに対しても何か別の手を打たなくてはならない。
その手は一つしか浮かばなかった。
やむを得ず、ヨグ=ソトースはその命令を暗号で響かせた。
“シャロンとキーラに対しては数で仕掛けろ! 原型を完全に崩してもいい! 巨大光弾の発射機能だけ維持できればかまわない!”
その命令は即座におぞましい形で実行された。
アザトースの下半身がどろどろと溶解し、崩れていく。
液体のようになりながら再構成。別の図面に基づき、組み替えていく。
そして液体は大量の異形に生まれ変わっていった。
様々な海の生物を模した怪物の群れとなり、二人に襲い掛かった。
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