Iron Maiden Queen

稲田シンタロウ(SAN値ぜろ!)

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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む

第二十四話 神殺し、再び(45)

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 即座にデュランのほうに向き直り、槍を突き出して閃光を繰り出す。 
 それをデュランは大盾で防御。
 防御しながら、デュランはあることを確認した。
 やはり繊細な技。
 あまりにも繊細すぎる技。
 ゆえに確信を得たデュランは、地を蹴る強さをさらに増した。
 デュランの突進が加速し、距離が一気に詰まる。
 二発目は間に合わない、そう判断した槍使いは突っ込んでくるデュランに向かって大盾を構えた。
 その防御に対し、デュランは突進の勢いを乗せながら大盾を振り上げ、ぶちかました。
 大きく重い金属音が響く。
 衝撃も同様に重く、槍使いは大きく姿勢を崩した。
 背をそらしながら大盾を上にかかげたような姿勢。
 胸から下ががら空き。
 槍使いはその隙を埋めるために、よろけながらも槍を前に出し、縦に構えた。
 同時に槍の底の石突きの部分を地面に突き刺し、支えとする。
 それをデュランは待っていた。
 己の確信を証明できると思った。
 ゆえに大剣を握る手にはますます力がこもった。
 そしてデュランは迷い無く、その縦に構えられた槍に向かって大剣を水平に叩き込んだ。
 これが鋼の槍であり、相手がベアトリスほどの使い手であれば、受けしのがれていただろう。
 が、直後にデュランの確信は証明された。
 槍はくの字に折れ曲がり、間も無く使い手の体も同じ形に曲がった。
 やはり鋼の槍では無かった。
 デュランにとってはあの閃光はあまりにも繊細すぎた。神業(かみわざ)すぎた。
 アルフレッドは修練を重ねればできるかもしれないと思っていたが、デュランにはとてもそうは思えなかった。
 光の魔力の粒子は鋼に含まれている炭素と強く反応する。
 ゆえに、粒子を規則正しく整列させることは非常に難しい。
 それでも、ちゃんと両手で槍を握り、時間をかけて魔力を調整すれば不可能では無いのかもしれない。
 だが、槍使いは片手で、しかもタメ無しで繰り出している。
 だから武器に秘密があるのではないかとデュランは思った。銀かなにか、魔力を制御しやすい素材なのでは無いかと思った。
 ならば強引に打ち合いに持ち込むのは悪くない手なのではないか、そう思えた。
 その思いは証明され、槍使いはくの字のまま吹き飛び、木に激突した。
 木が揺れる音が響き終わる頃にはデュランは再び槍使いの目の前。
 そしてデュランは槍使いが態勢を立て直す暇を与えず、魔力を込めた大剣を振り下ろした。
 銀色の光が槍使いを包み、あふれた光が周囲を白く照らす。

「――っ!」

 断末魔の悲鳴がその白に溶け込み、直後に赤く転じた。
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