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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む
第二十四話 神殺し、再び(44)
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声が響いたのとほぼ同時にルイスは踏み込んでいた。
地の上を這うかのような低姿勢の突進。
これに対し、精霊使いは持っている大盾でルイスを上から押さえつけるように突き出した。
だが、その迎撃に意味は無かった。
盾はかすることも無く、二人は交錯した。
すれ違うと同時にルイスが剣を一閃。
型は居合い。
そして回転斬りに繋ぐ二段技であった。
鞘から抜き放った勢いのままに一回転。
銀色の刃が地に水平に月のような円を描く。
そしてこれはただ二回斬るだけの連続技では無かった。
体を回転させたのは体に巻き付いているムカデを伸ばしながら振り回すため。
回転中に体を伸ばしたムカデが、回転の勢いに乗って精霊使いの頭に噛みつく。
最後の反撃すら封じるために脳に牙を立てる。
それでも、精霊使いは抵抗した。
震えながらも手の平をルイスのほうに向けた。
しかしルイスは警戒しなかった。
その手に魔力はこもっておらず、こめることもできなくなっていることが、ムカデから報告されていたからだ。
だからルイスの意識と視線はアルフレッドから離れるアリスのほうに向いていた。
アリスの動きは仕切り直しでは無く、逃走のようになっていた。
木に向かって跳躍し、幹から幹へ三角とびを繰り返して上へ上へ。
その動きに反応したフレディの銃声が響くが間に合わず。銃弾は木に着弾。
直後、場に重く暗い思念が響いた。
“一度戻ってこい、アリス”
ヨグ=ソトースの声。
その指示を待っていたかのようにアリスは枝から枝へと移動し始めた。
下から見上げながらその動きを追おうとするアルフレッド。
追わせまいと、槍使いが再び閃光の照準をアルフレッドに合わせる。
が、直後、アルフレッドの邪魔はさせないという意趣返しのような心の声が響いた。
槍使いは即座にその声に反応して向き直った。
その声の主の接近は既に感じ取れていた。
先ほども邪魔してきた相手だからだ。
感じ取った通り、向き直った槍使いの瞳には、突っ込んでくるデュランの姿が映っていた。
地の上を這うかのような低姿勢の突進。
これに対し、精霊使いは持っている大盾でルイスを上から押さえつけるように突き出した。
だが、その迎撃に意味は無かった。
盾はかすることも無く、二人は交錯した。
すれ違うと同時にルイスが剣を一閃。
型は居合い。
そして回転斬りに繋ぐ二段技であった。
鞘から抜き放った勢いのままに一回転。
銀色の刃が地に水平に月のような円を描く。
そしてこれはただ二回斬るだけの連続技では無かった。
体を回転させたのは体に巻き付いているムカデを伸ばしながら振り回すため。
回転中に体を伸ばしたムカデが、回転の勢いに乗って精霊使いの頭に噛みつく。
最後の反撃すら封じるために脳に牙を立てる。
それでも、精霊使いは抵抗した。
震えながらも手の平をルイスのほうに向けた。
しかしルイスは警戒しなかった。
その手に魔力はこもっておらず、こめることもできなくなっていることが、ムカデから報告されていたからだ。
だからルイスの意識と視線はアルフレッドから離れるアリスのほうに向いていた。
アリスの動きは仕切り直しでは無く、逃走のようになっていた。
木に向かって跳躍し、幹から幹へ三角とびを繰り返して上へ上へ。
その動きに反応したフレディの銃声が響くが間に合わず。銃弾は木に着弾。
直後、場に重く暗い思念が響いた。
“一度戻ってこい、アリス”
ヨグ=ソトースの声。
その指示を待っていたかのようにアリスは枝から枝へと移動し始めた。
下から見上げながらその動きを追おうとするアルフレッド。
追わせまいと、槍使いが再び閃光の照準をアルフレッドに合わせる。
が、直後、アルフレッドの邪魔はさせないという意趣返しのような心の声が響いた。
槍使いは即座にその声に反応して向き直った。
その声の主の接近は既に感じ取れていた。
先ほども邪魔してきた相手だからだ。
感じ取った通り、向き直った槍使いの瞳には、突っ込んでくるデュランの姿が映っていた。
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