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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む
第二十四話 神殺し、再び(40)
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槍使いのそばには、同じ技にやられたと思われる味方の大盾兵が倒れていた。
そして既に槍使いは次の攻撃態勢に移っていた。
水平に構えた槍を大きく引いた、突きと思われる形。
しかし明らかに届かない間合い。
されど槍使いは躊躇なく槍をアルフレッドに向かって突き出した。
そして槍先から放たれたのは予想通りの攻撃であった。
真っすぐで速い、閃光のような飛び道具。
槍と同じく鋭いその攻撃を、片方の刃で受け流す。
その衝撃と共にアルフレッドは感じ取った。
(あれが戻ってくる!)
鳥の精霊は旋回を完了していた。
決して小さくないサイズにもかかわらず、その鳥は器用に立ち並ぶ木々を回避していた。
再び、小さな人魂を撒き散らしながらアルフレッドに迫る。
これに対し、アルフレッドは先と同じように人魂対策の蝶を展開しながら地を蹴って回避行動を取った。
だが、今回の人魂の数は先よりもはるかに多かった。
残弾を一気に撃ち尽くしたとことが明らかな展開量。
弾を残す必要は無かった。
それが最後の突撃であり、狙いはアルフレッドだけでは無かったのだ。
鳥はアルフレッドが回避行動を取った直後に目標を変え、近くにいた大盾兵達に向かって突っ込んだ。
「!」「なに?!」「うあぁ!」
大盾兵達はとっさに盾で受け止めたが、その防御では効果は無かった。
体当たりの衝撃によって砕けた鳥は、まるで粘液のようになって大盾兵達にからみついた。
重さも粘り気も無い。
まるで霧に包まれたような感覚。
その感覚は数瞬でおぞましい感覚に変わった。
何かが入ってくる感覚と共に頭痛が走る。
間も無く、体の自由がきかなくなり始める。
助けなければ敵となって襲い掛かってくる、そう思ったアルフレッドは蝶の精霊を生み出そうとした。
が、
「っ!!」
真横からまたしても閃光。
そして横槍はそれだけでは無かった。
反対側から地を蹴った音が響く。
その音と共に、「彼らの救助なんてさせない」という心の声が響いた。
声が響いたほうにアルフレッドが視線を向けると、そこには人魂の群れを引き連れて突っ込んでくるアリスの姿があった。
そして既に槍使いは次の攻撃態勢に移っていた。
水平に構えた槍を大きく引いた、突きと思われる形。
しかし明らかに届かない間合い。
されど槍使いは躊躇なく槍をアルフレッドに向かって突き出した。
そして槍先から放たれたのは予想通りの攻撃であった。
真っすぐで速い、閃光のような飛び道具。
槍と同じく鋭いその攻撃を、片方の刃で受け流す。
その衝撃と共にアルフレッドは感じ取った。
(あれが戻ってくる!)
鳥の精霊は旋回を完了していた。
決して小さくないサイズにもかかわらず、その鳥は器用に立ち並ぶ木々を回避していた。
再び、小さな人魂を撒き散らしながらアルフレッドに迫る。
これに対し、アルフレッドは先と同じように人魂対策の蝶を展開しながら地を蹴って回避行動を取った。
だが、今回の人魂の数は先よりもはるかに多かった。
残弾を一気に撃ち尽くしたとことが明らかな展開量。
弾を残す必要は無かった。
それが最後の突撃であり、狙いはアルフレッドだけでは無かったのだ。
鳥はアルフレッドが回避行動を取った直後に目標を変え、近くにいた大盾兵達に向かって突っ込んだ。
「!」「なに?!」「うあぁ!」
大盾兵達はとっさに盾で受け止めたが、その防御では効果は無かった。
体当たりの衝撃によって砕けた鳥は、まるで粘液のようになって大盾兵達にからみついた。
重さも粘り気も無い。
まるで霧に包まれたような感覚。
その感覚は数瞬でおぞましい感覚に変わった。
何かが入ってくる感覚と共に頭痛が走る。
間も無く、体の自由がきかなくなり始める。
助けなければ敵となって襲い掛かってくる、そう思ったアルフレッドは蝶の精霊を生み出そうとした。
が、
「っ!!」
真横からまたしても閃光。
そして横槍はそれだけでは無かった。
反対側から地を蹴った音が響く。
その音と共に、「彼らの救助なんてさせない」という心の声が響いた。
声が響いたほうにアルフレッドが視線を向けると、そこには人魂の群れを引き連れて突っ込んでくるアリスの姿があった。
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