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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む

第二十四話 神殺し、再び(38)

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 アルフレッドが二刀で十字を描く。
 その直後、迫るアリスの十字は歪みながら回転し、光のつむじ風となった。
 アルフレッドが描いた十字が吸い込まれるようにつむじ風に飲み込まれる。
 瞬間、アルフレッドは察した。

(撃ち負ける!)

 即座に二刀を切り返し、突破してきたつむじ風を切り払う。
 二刀で切り開いた隙間に、身を細くしながら入り込む。
 しかしこれは回転する渦。
 ゆえにその隙間も間も無く歪み、曲がり始めた。
 二つの大きな光の刃が弧を描きながらアルフレッドの首と膝に迫る。
 背中をそらして上の刃をかわしながら、小さく跳躍して下の刃を避ける。
 勢いよく身をそらしながら地面を足から離したゆえに、アルフレッドの体は低空で回転を始める。

「ぅ雄ぉっ!」
 
 回る視界の中、気付けばアルフレッドは叫んでいた。
 この危機を突破するために本能が己に活を入れていた。
 ゆえに刹那遅れて、

(この程度!)

 という反抗の叫び声が理性から響いた。
 その叫びと共に二刀を再び切り返す。
 渦を描く光の嵐の中に、二刀が同じ色の三日月を二つ描く。
 三日月が渦に巻き込まれ、砕けて小さな三日月の群れとなる。
 小さな三日月は渦の流れに乗りながら、光の刃とぶつかり合い、削り合っていった。
 そして渦は削り合いの果てに、きらめく破片のくず風となった。
 光のかけらと粒子が周囲に飛び広がり始める中、地面の上を滑ったようなアルフレッドの着地音が響く。
 無茶な回避であったゆえに、着地の態勢は良い形では無かった。
 だが直後、味方の大盾兵達がアルフレッドとアリスの間に立ち並ぶ。
 しかしこの時既、アルフレッドの意識はアリスでは無く別のほうに向いていた。
 それは先ほど光弾を撃ってきた大盾持ち。
 大盾持ちの背後には異形の群れが集まっていた。
 その足にはイカの触腕がからみついていた。
 イカの触腕は細長く変形しながら足から腰へ、腰から右肩へと這い上がっていた。
 もう右腕が見えなくなるほどに多数の触腕が巻き付いている。
 大盾持ちはその異形に包まれた右手から、何かを生み出し始めていた。
 上に掲げ右手の平の中から、毛玉のような何かが膨らみ出していた。
 だからアルフレッドは警告の声を上げた。

「気をつけろみんな!」
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